今回は、飲食業から異業種に転職することを目指すときに準備する事柄について書いていきます。
残念ながら、飲食業の社員は一般的に人材の市場価値は残念ながら低く見られがちです。
特に異業種に転職なんて苦労すると考えてないですか?
しかしそんなことはありません。以下の3つを整理していくことで入社試験の壁はクリアできます。
- 今までの経験を棚卸すること
- 自分の見せ方を工夫すること
- やりたいことを明確化すること
実は異業種への転職は不利にはならないんです。
何故なら企業側からすれば、入社してからが大切であり、その資質があるかを見極めようとします。
過去の事は正直なところ余程の専門性が必要な職種でない限りはそこまでこだわりません。
それよりも何を考えているかをどう表現するかによって印象は変わってきます。
どのような姿勢で飲食業の仕事に従事してきたか、そこで学んだこと、身につけた個人としての考えを聞いてみたいという面接担当者がほとんどです。
僕自身も実際飲食業から転職しました。
その転職先は求人広告の営業で、新卒や中途採用のお手伝いをしてきたました。
これから転職する方も採用側の考えも触れてきたので、やはり上の3つが抑えられていれば転職の成功確率は大きくなります。
それでは何故飲食業は市場価値が低いと感じるか、不利と考えられる転職をどうやってにクリアするかを具体的に見ていきましょう。
目次
何故飲食業の人材は市場価値が低いと感じるのか
飲食業は、資格が必要な専門的な仕事ではなく(栄養士を例外として)、店舗全体の運営に関わる総括的な仕事です。
調理のような実際のオペレーションから売上や経費の管理など多岐に渡ります。
一般的な職種であれば、経理なら経理、営業なら営業と仕事内容が絞られますが、飲食業はあらゆることが仕事になっているために悪く言えば広く浅く、また未経験者でも2~3年働くと全体の仕事が覚えられるということで簡単なイメージが付いています。
そのイメージの中、市場価値が低いと思われる理由を2点にまとめました。
まずは、不利になってると思われる条件を理解していかないと、なかなか転職対策はできません。
そもそも外部から仕事内容がわからない
表面から見ると飲食業の仕事はアルバイト中心で店長はシフト作成やクレーム対応くらいしか実は一般的には理解してません。
あとはアルバイトと同じ程度という位の認識しかしてもらえてないことを理解しておきましょう。
もちろん面接する側も学生時代に飲食業でアルバイト経験がある方が多いです。しかし所詮学生時代の記憶ですし、そこまで具体的に社員の仕事を知りません。
面接で経歴や経験を聞かれた際は、表面上理解できる仕事内容ではなく、しっかり数値コンロトール、マネジメント、販促方法などを具体的に交えながら話を進めていきましょう。
そもそも圧倒的に仕事内容自体が世間では思っている程知られていないと思って間違いないです。
給与が相対的に低い
飲食業の場合、他の職種と比べてみると相対的に給与は低めです。
給与が低い=人材の市場価値が低い
という固定概念がどうしてもあります。
この固定概念がいい方向に向かず、転職者側も給与や待遇に不満を持っていながらも、自分の評価を過小評価しがちになります。
仕事の対価(給与)≠ あなたの市場価値
飲食業は今や高コスト体質の事業になってしまっていますので、給与自体が上がりにくいビジネスモデルになっています。
また利益を上げてもさらに企業が成長していくには新店舗開発には多くのコストがかかるので、給与還元よりも再投資へその利益は回されていきます。
また人件費も高騰し、競合も次々と現れるので飲食業自体の給与は上がりづらいのが実情です。
これがあなたの給与が相対的に低い理由です。
決して人材の市場価値が低いのではありません。
繰り返しますがビジネスモデルに問題があるだけです。決して過小評価しなくていいんです。
異業種に転職するための3つの準備
それでは具体的に異業種への転職を実行するためにはどうすればいいのか、何をアピール材料としていけばいいのかを考えていきましょう。
結論から言うと他人に聞いてもらって、すぐにあなたのことを理解してもらうことための準備です。
これを怠るとその場凌ぎになる可能性があり、せっかくの転職の機会を失ってしまう可能性もあります。
わずかなミスをしないためにもしっかり準備します。
今までの経験を棚卸する

まず、あなたが経験してきたことを自分自身で理解する必要があります。
「自分のことなのでわかる」と思われるかもしれませんが、改めて客観的に自分を捉えることで、他人が聞いてもすぐ理解できるようになります。
この他人が聞いてもすぐ分かるが重要で、経験を棚卸する理由となります。
具体的には、これまで経験したきたあらゆる仕事を自分の中で整理していきます。
入社から現在までを記憶の限り、箇条書きでいいので書き出してみます。
例えば、売上アップさせた経験でもいいですし、逆に売上を下げた経験でも、その失敗談をその後どのように活かしてきたかを書いていきます。
販促企画やどんな小さい改善などでも全然構いませんので、ドンドン書いていきましょう。
その時の感情もあれば尚良いです。
感情は人間的な魅力を出すことで共感してもらうこともできますし、生々しさを伝えることができます。
その他には項目の横に経験店舗数や店舗規模、店舗立地などもここでは添えておきましょう。
ある程度出した後は、項目ごとにまとめてみます。
例としては「販促」「利益」「人間関係調整」「数字コントロール」「コスト削減」など(他にも新店開業、閉店などひと言で表せる項目なら構いません)大枠に振り分けて、箇条書きにしたものを振り分けていきましょう。
この作業をすることによって自分の経験してきた全体像を把握することができます。
何度も確認することで客観的に自分の棚卸がより洗練されたものなります。
この棚卸図が他人から見たあなたの職歴です。職務経歴書の様な薄い内容ではなくなっていると思います。
自分の見せ方を工夫する
見せ方というと、演技することと思われている方も居ると思います。
これは正解でもあり、不正解でもあります。
決して嘘をついてはいけませんが、気持ち的には2割増し位で自分のことを話しましょう。
多少盛って話をした方が相手には熱量として伝わります。
嘘ではなく事実を割り増して表現するというのは受け取る側からすると熱意を感じる、また控えめに見ても2割増でやっと等身大のあなたが伝わります。
ここで考え方としては、転職者は採用企業にとって商品なんです。
仕事で商品を売る時は、いかに買ってもらうか、どのように見せて説明していくかを考えますよね。
これと実は変わらないんです。
どこの店でも買っても同じ商品であれば、きっちり説明してくれる店員から買うでしょうし、商品の魅力を伝えてくれる方が買いたくなりますよね。
つまり、自分のことを魅力的にみせる工夫が必要ということです。
あなた以外にも経歴が同じ転職者がいるとします。つまり競合です。
採用企業側からすれば、同じようなスペック(学歴・経歴)であれば踏み込んだ考え方を話してくれたり質問をしてくれた方が魅力を感じます。
決して転職マニュアルにあるような無難な受け答えはやめておきましょう。
そんな無難な受け答えは面接担当者は、何回も聞いてきて飽きてます。はっきり言って印象にも残らないです。
多少図々しいくらいの方が前向きな印象を与えますから遠慮せずに自分のことをしっかり伝えましょう。
やりたいことを明確化する
あなたのやりたいこと、実現したいことは何でしょうか?具体的に決まっているのであれば、後は行動するだけです。
しかし、やりたいことがまだ明確になっていない方は、抽象的なことから決めていきましょう。
例えば、給与の増額、キャリアアップ、スキル獲得、長時間労働からの解放、人間的な成長など理由は一つではなく多数あると思います。
優先順位を付けて希望に合う仕事を探しましょう。
注意しておかなくてはいけないのは、条件ばかり重視してしまい仕事内容を優先順位が低くなることです。
転職して給与が増えたとしても全く興味がない仕事やおもしろくないとなると結局続かず再度転職してしまうハメになりかねません。
今よりはマシという理由では、また不満がたまって職を転々としてしまう人も何人も見てきました。隣の芝生は青く見えるのは仕方ないことですけどね。
でも言い換えれば、自分がどうなりたいかという軸がないことが原因で、条件に振り回されてしまっている状態です。
これは実際働いてみないと仕事の環境や条件はわかるものではないので、絶対譲れないというところは面接のときにきっちり話をしておきましょう。
踏み込んだ話で、自分の求める仕事や条件と違うようならば、その場で辞退しても構いません。焦る必要はないんです。
長く働くつもりなら尚更、じっくり考えてからでも遅くはありません。
また転職先を探すときに求人サイトを利用することが多くなりますが、求人サイトに掲載されているものは一部の会社だけです。
掲載のタイミングもありますから、長い目で会社は探さなくてはいけません。
各サイトには個別条件を登録しておけばメールでおしらせしてくれるので、情報収集と業界の研究するためにも登録しておきましょう。
求人していないけれども、行きたい会社がある場合はホームページや電話で問い合わせてみましょう。
まとめ
飲食業から異業種に転職するというのは、そこまで難しいことではありません。
これまでの経験を自分で認識して、わかりやすく伝えること、また自分の中で譲れないものは妥協せずにこだわることで転職を成功させることができます。
ぜひ、あなたに合った仕事に巡りあえるように自分を見つめてみてください。