飲食店は人材育成に集中することで長時間勤務から解放されることを知ろう。

考える店長

相変わらず飲食店は人手不足というニュースが流れています。

すっかり飲食店は働きたくない業種になっています。(ただし新規開業率はトップ)

飲食業は果たしてブラック企業なのでしょうか。

僕自身の考えとしては否です。

飲食店がブラックと言われるのは、長時間労働と給与の低さからでしょう。(36協定を結んでいないまま長時間労働は違法です。確認しておくといいですね。)

しいて言うならばブラック企業ではなく、ブラック店舗という考え方が正しいかもしれません。

例えば同じ系列店でも週2日きっちり休めている店もあれば、月に3~4日しか休めていないという現象が起きています。

あなたの店が長時間勤務の過酷な仕事になっている原因は

仕事ができないことを棚上げして残業をしている。

→社員としての仕事内容を理解していない。もしくはできない。

自分がやった方が早い病で人材育成がおろそかになっている可能性。

→多くの仕事を自分で抱え込んでしまう環境に知らず知らずのうちになっている。

この構造を改善できていれば、そこまでブラック企業といわれる程、過酷な仕事ではありません。

これを改善するには、あなた自身の仕事内容を見直すこと、そして人材の育成をきっちりすることで解決できます。

実際安定して運営している飲食店の店長にお話を伺うと週2日どころか週3日休んでいても問題ないという声もよく聞きます。

飲食業はブラック企業だからと、はじめから労働環境の改善をあきらめてしまっては、あなたのスキルは全く伸びませんし、そこで成長が止まります。

厳しいようですが、どの業界でも楽して稼げることはありません。

特に飲食店の仕事内容は多岐に渡りますが、人材育成をすることでうまく回すことをどうすればいいのかを一緒に考えていきましょう。

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飲食店はブラック企業なのか

全ての飲食店をブラック企業としてる風潮がありますが、健全な労働環境の飲食店は、いくらでもあります。

健全な店舗も、開店当初から休暇が取れ、定時で帰れていたわけではありません。あなたも理解していただけると思います。

時代が違う、立地が違うなどの理由はもちろんあります。

しかし、たまたまではありません。

現在でも健全な職場であることは、人材育成をはじめ機能するマネジメントを継続している証拠です。

お店なんて、イケてない店長が赴任すれば正直3か月もあれば体制は崩れ、ボロボロになります。

つまり、ブラック化するかは人材次第だということです。もっと言えば仕事をするか作業をするかです。

仕事は人材育成を中心としたマネジメント、作業は覚えてしまえば正直中学生でもできるレベルのことです。

あなたも飲食店で働いているからと長時間勤務の改善を最初からあきらめてしまっては、いつまでたっても休みもろくに取れないまま過ごすことになります。

ブラック飲食店だからとあきらめたり、会社のせいにしたりする前に、あなたの仕事が何かを考え、スキルを上げていくことで過酷な勤務を抜け出すことができます。

仕事ができないことを棚上げしていないか?【原因】

仕事を理解していない図

厳しいことを言ってしまいますが、いま飲食店で働いている人が自社がブラックというあなたは、仕事ができると自信を持って言えますか?

飲食店の仕事は商品を提供することではありません。

アルバイトに毛が生えた程度の仕事をしていませんか。

飲食店の社員である限りは、店舗のマネジメントをすることが仕事です。

もっと簡単に言ってしまうと店に利益を出すことです。

販促やサービス向上はもちろん、コストの管理など専門職と違い多岐に渡る能力が必要です。

そして何よりも大切なものは人材を育成する能力です。

その能力が不足していることをそろそろ自覚してもいいのではないでしょうか。

ひとつ、話を単純にして考えてみましょう。

仮にアルバイトさんでも社員並みの能力がある人材が3人居ても休めませんか?

定時で帰ることは不可能ですか?

おそらく、あなた自身休暇を多くとったり、定時で仕事を終わらせることができるでしょう。

つまり1にも2にも人材の育成に注力することを目指すべきではないでしょうか。

もちろんアルバイトさんに、そこまで大きな責任持たせることはできません。

しかし、トラブル以外、普段の運営は任せることができるように育てればいいのです。

それができないのは、仕事ができないからです。

結果としてブラック企業でなくブラック店舗になっているのです。

厳しいようですが、人材育成ができない飲食店社員はいつまでも過酷な仕事をし続けるしかないんです。

アルバイトを低く見てはいけない

避ける企業

アルバイトさんは手伝ってくれる存在で、店の中心は社員でないといけないという考えは捨てるべきです。

まして上から目線で見ていたら、アルバイトさんは敏感です。

すぐに気づきます。そっぽを向かれると教育どころではなくなります。

あくまで店長や社員やアルバイトは役割です。

あなたをはじめ社員が中心でないといけないというのは単なる思い上がりです。

彼らは育てればあなた以上に、しかも喜んで仕事してくれる存在になります。

もちろん会社はアルバイトの育て方など1から10まで教えてくれませんし、性善説に立った使えない店長マニュアルみたいなもの渡されて終了です。

だからといっていつまでも会社のせいにしても何も現状は変わりません。

あなた自身が変わらないと店も変わらないし、アルバイトさんも変わりません。

実は、僕自身がそうでした。典型的な仕事ができない社員でした。

社員の仕事を勘違いして、朝から晩まで休みも3か月で1日しか取れないような日々を過ごした時がありました。

いま考えると作業をしているだけで肝心の仕事ができないヤツだったんです。

しかも変なプライドだけ高い、いま思い返してみたら恥ずかしい限りです。

それが解消でき始めたのは自分の分身を数人揃えたらいいのではないか。と考えた時でした。

それからは人材をひたすら育成に集中しました。会社への報告書や提出物など無視して、怒られてもひたすら時間を人材育成に当てることだけしていました。

(本当は会社に出すものは出さないといけないのでおすすめはしません。重要なのは自分の立場<アルバイトさんということを見えやすくするためだったんですが…。そこまでしなくてもいいと今は思います。)

結果的にその後、100店舗以上あるチェーンの中で1番の利益と利益率を達成できたのですが、僕は何もしておらず、アルバイトさんが自ら進んで店を育てていった結果です。

ただ僕自身は彼、彼女たちのサポートをし続けただけです。本気にさせると学生アルバイトであろうと主婦であろうと、すごい力を発揮してくれます。

不足しているのは知識とモチベーションになる熱量だけだったんですよね。今振り返ると。

あなたもアルバイトの延長線上の仕事をせずに本気で社員の仕事をしてみてはどうですか。

もちろん本気でしれませんり組めば3か月〜半年は、今までより大変になります。休みはもっと減るかもしれません。

しかし不思議なことにあなたが本気になることで、3か月~半年以降は過酷な勤務をしなくても休暇は取れ、定時帰宅できつつ、利益は出るようになります。

それは人時生産高が上がり、結果的に人権費を抑えることに繋がります。

(その構造は以下の記事を参考にしてください。)

人件費というのは、飲食店に限らずいかなる事業においても一番比率が掛かる経費です。 一般的には売上比率の30~40%程度と言...

自分を救えるのは自分しかいません。

アルバイトさんを救えるのもあなたしかいません。

アルバイトさんは本人も気づいていませんが、能力を持て余しています。

せっかく働くなら必要とされたい、仕事ができるようになることに誇りと自信があればアルバイトさんは物凄く頑張ってくれる存在になります。

100%の力を発揮させてあげてください。それが最終的にお店の利益と財産になります。

それが飲食店の社員の最も大切な仕事です。

人材育成の最大ポイントは働く意義を伝えること

あきらめない

人材育成といっても仕事内容を詰め込んでいけばいいわけではありません。
それは、こちらの都合を押し付けているだけです。

簡単に人は変われませんし、わざわざしんどいことを選ぶことはないのが現実です。

単に仕事を覚えてもらってもアルバイトさんは動いてくれません。

そこで仕事をする意義を見出してあげることがポイントです。

働くメリットをソフト面から伝える

仕事自体はお店のため、お客様のためではあるのは当然ですが、そこで働く意義は彼ら自身にとって、どういうメリットがあるのかを具体的にわかりやすく話を繰り返しましょう。

学生であれば社会になって通用する能力が付けることで有利になること、例えば知識はもちろん就職活動にも役立つということなどです。

また学校で思うようにいかなくても、職場では中心人物になったり、学校とは違う活躍の場ですからそこに存在意義を見出すこともできます。

むしろ、学校が充実している人よりも比較的つまらないと感じている人の方が職場では活躍します。(自分が輝ける場が多いから、プライベートとは違う人格形成ができるのもあります)

学生以外であれば、自分の生活と職場しかないことがほとんどです(主婦の方など)。

つまり持っている世界が他にない(学生なら学校が中心か半分以上)ので、お店=社会での自分の立ち位置になっています。

仕事で結果を出すことが、社会からの評価となります。

仕事を任せていくことで自分の地位を実感してもらえることに繋がりますので、積極的に任せてその都度フィードバックや評価をしていきます。

社員側としては同じことを言っているのですが、伝え方を変えながら段々と理解をしてもらう、アルバイトさんに自身の働く意義を理解してもらうようにする努力が大切です。

加えておくと1回や2回では理解してくれません。

最低10~20回は伝える心構えで取り組みましょう。

違和感があっても熱く語ること(例え演技であっても)は、刺激を与え仕事に対する姿勢を変えてもらえます。

ただ、話す内容が毎回暑苦しいとめんどくさいと感じられる、刺激に慣れていくので

熱量の会話2:仕事上の会話6:私的(趣味など仕事以外):2

程度の割合でいいと思います。

成長曲線を意識する

人が1日1つでも成長することが大切です。例えば1日に0.1%でも成長すると翌日には1.01からさらに0.1%の成長をします。

1.01×1.01×1.01×1.01・・・

非常に小さな積み重ねですが、これが1年続くと最初の状態から約37倍も成長している状態になります。

成長曲線

これが上記したように半年後に不思議と長時間勤務から解放されていく根拠です。

0.1%でもこの伸び率ですから実際はもっと伸びていきます。

この人材の成長曲線を意識しておくことで、現在どの位置に各人がいるかを把握できます。

自分がした方が早い病が生産性を落とす

自分がした方が早い病は、次々と増える業務を抱えることになります。

許容範囲を越えてくるとその仕事内容も劣化してしまい、失敗や結果がでないことで再度やり直しになったりします。悪循環になると抜け出せなくなります。

あなたがした方が早いのは、生産性を高めているのではなく無理をしているだけです。1日で終わる仕事であればそれでいいでしょう。

しかし、日々の連続で必要な仕事であれば仕事に質も落ち、長時間勤務が常態化してしまいます。

それならば思い切って、いま、あなた自身がしている仕事でアルバイトさんに任せられる仕事は思い切って任せてみましょう。

飲食店なら発注や清算作業、シフトの一部などでしょうか。人材のトレーニングもそうですね。販促などもアイデアがあるようなら任せてみるのもいいですね。

もちろん、あなたがした方が何倍も早いこともあるでしょう。

それでもそこはガマンです。

新しい仕事を任されるということは、やる気に繋がります。いい意味で副作用を持たらせてくれます。

「〇〇さんだからこそ任せたいと思うんだ」「〇〇さんならできるはず」と一言添えてあげれば多少むずかしい仕事でも頑張って覚えようとしてくれます。

あとはガマンとサポートです。慣れるまでは当然時間は掛かり大変です。

長時間勤務にさらにプラスされて、より長く働くことになることもあるかもしれません。

後々、楽をするため、最初に苦労が重なるのはどんな業界でも同じです。

しかし、この任せることをお店の文化にしていけば、自然とアルバイトさんが後輩アルバイトに教えたり、任せる風潮が根付きます。

その結果として、質の高い仕事ができ生産性が高まる基礎になります。

まとめ

飲食店では長時間勤務なりがちですが、あきらめたらそこで終わりです。

人材を育てていくことが、長時間勤務から抜け出す唯一の方法です。

人手不足はこれからも続きますから、仕事のやり方、内容を見直していかないと長時間勤務がこれまで以上に常態化していきます。

店舗は人材育成をするのが最優先です。人材育成をすることは最初は苦労が多いですが、半年もすれば生産性も高まり利益も出やすい体質の店になります。

仕事を任せるのは負担を押し付けることではありません。むしろ、喜んで新しい仕事の依頼を受けてくれます。こちらが思っている以上にアルバイトさんは力を持っています。

あなたを救うのはあなた自身でしかできません。それならば一度人材育成にだけ集中してみてはどうでしょうか。きっと違う景色が見えてきます。

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