転職活動する際に、転職サイトに登録をするのは、今や当たり前ですよね。
この転職サイトには、当然ブラック企業も山のように載っているわけです。
良識ある企業との玉石混交ですが、その見分けは、一見では分からないと思います。
僕自身は以前、某大手求人サイトの営業をしていました。
そのおかげで大体ブラック企業がどのような手口や文章で募集広告を出すかわかるようになりました。というか僕自身がブラック企業の採用を手伝うこともあったのでリアルな部分を知っています。
一見すると分からないのですが、特徴って出るんですよね。
その見分け方とは
- 掲載パターン
- 文章(仕事内容)
- 待遇
- 掲載サイト
以上で大まかなテンプレート化してます。
言葉巧みに応募を誘う文言が並んでいますが、そこは求人専門のライターが書いていますから、なかなか素人目では見抜きにくいのも事実です。
逆に求人広告の営業をしていたからこそ、「そういう書き方になるよね」とブラック独特の求人方法が分かります。
長文(読む目安時間約8〜10分)になりますので、気になる項目を目次から読んでみてください。
ブラック企業の転職求人の特徴

転職サイトで募集する場合、ブラック企業には特徴があります。もちろん、良識ある(ホワイト)企業にも特徴があります。
今回は、その見分け方をお教えします。それでは見ていきましょう。
掲載サイクル

人の入れ替わりが激しいので、まず掲載間隔が短いです。2か月に1回とか、下手したら毎週とか。
ちなみに、ずっと掲載している状態を業界用語でベタ打ちと言います。ちなみにこれが一番の危険な会社です。
「辞めたら補充。辞めたら補充。」
もしくはブラックすぎて応募自体が少ないので、常に出してタイミングよく釣れるまで待つ。
この繰り返しです。
「前にも見たことある会社だな」「よく募集している会社だな」と思われたことがあると思いますが、そういう会社は大半、離職率が異常に高いです。
本当に良い会社はそう簡単には離職しませんからね。
募集理由も「事業拡大」や「今後の成長を考えて」など抽象的な言葉で募集をする傾向がありますが、大体嘘です。
わざわざ求人広告の担当に自社の現状なんて語ることはありませんし、ましてや今後の事業計画なんて伝えてもらえません。業績なんか以ての外です。
もちろん今は人手不足の時代ですので、事業キャパシティに対して人員が不十分な場合が、多々あります。
現状の人数に対して不足している人員獲得を事業拡大と勘違いしてしまう場合が募集企業には多々あります。(単に欠員が出ても補充をその時にしないまま業務遂行してきた流れ)
現実は売上は変わらないのに、人数が減り、一人あたりの負担が増しているだけですが。
そもそも仮に事業拡大する為に募集しても慢性的に人手不足状態であれば、教育なんかおざなりになりますから、まともに仕事を教えてくれない可能性が高いです。
転職サイトを多媒体に展開して大量募集

転職サイトも多くの会社が運営しています。いまや大手、小規模サイトを含めると数十サイトにも及びます。
あらゆる媒体に載せるのもブラック企業の特徴です。
大量募集大量離職が基本です。
新卒や中途採用に限らず、大量募集は至上命令です。
頭数を揃えないと、次々に退職するので会社に残る人数をできるだけ多くしたいですからね。
露出を多くすることで応募を確保するのが狙いです。
心理的にも大量募集をアピールすれば、求職者側も「採用されやすそうだから」と安易に応募してしまいがちです。
1名募集→「経験者やライバルが多そう」
50名募集→「採用枠が大きいので経験が浅い、もしくは無くても採用されるかも」
いかがですか?
当然、求職(特に早く決めたいと考えている場合)側には後者が魅力に感じますよね。50名も採用するのであれば会社自体も好調の裏返しに感じますし。
ちょっと50名は極端かもしれませんけど、10名位でも普通の企業は受け入れることが難しいです。
この単純そうな罠が、仕事を真剣に探す時には意外にも効くんですよね。
応募する際は、採用人数など気にしない方が絶対に良いです。優良企業の場合、例え応募が100名来ても欲しい人材が来なければ1名も採用しないということが多いです。
大手媒体には掲載していない
また大手媒体には載っていないけども中規模のサイトのみに複数載っている場合も、まずアウトです。
大手だと優良企業も多く掲載されていますからね。どうしても不利になることもあります。
とにかく数(応募数)を確保しなくてはいけないのです。
ターゲット母数(読者・登録者)を掲載会社数で割った媒体別の採用実績表を独自に持っていたり、これまでの求人サイトでの媒体別効果/費用対効果表を作成していることもあります。
僕は求人広告の営業をしていたので、この広告サイトの効果表を何社も見せられたことありますが、驚くほどによくできています。結局大手サイトだと1名あたりの採用コストが高いのも知っているんですよね。
結果的に大手サイトに掲載しても、競合他社との比較対象が多すぎて、費用対効果の点で疑問があることも要因になります。
掲載には審査がある
また法的に問題を抱えたことのある企業や民事再生を受けている企業は掲載できない媒体もあります。
転職サイトにも【掲載審査】というボーダーがあり、読者を欺く可能性がある会社は載せない方針があります。大手は特に厳しいです。
それに対して、中規模サイトであれば価格の値引き要求を厳しくしても受けてくれるので、予算もそこまで膨大にならなくて済むというのが実態です。
もちろん掲載審査などはほとんどありませんので、法的な問題を抱えていたりしても掲載可能です。
大手サイト、中規模サイト同時掲載している場合には一概にブラックとは言えませんが、大量募集という点では警戒すべき企業となります。
ブラック企業によくある求人内容
ブラック企業には求人内容を掲載する場合、特徴的な文面が出やすいので見分ける方法として以下の文言が出てきます。
詳しく見ていきましょう。
ブラック求人はフレーズがテンプレート化
「楽しい職場です。」
「社員はみんな、仲が良いですよ。」
「実力主義で若くても抜擢されます。」
「経験よりもやる気を重視します。」
甘い言葉で誘われます。
隣の芝は青いということでしょうか。言葉巧みに誘惑してきます。
これだけでブラック企業だと決めつけることはできませんが、わざわざアピールするようなことでもありません。部活やクラブ活動ではありませんし。
楽しく、仲間がいるのは構いませんが社内環境を前面に押してくる場合は、そもそも仕事自体は過酷な場合が多いです。
また実力主義、やる気重視の場合を中心に押している場合は、体育会系の会社であることが多いです。
「俺が、俺が」「私が、私が」とぐいぐい前傾姿勢でアピールしていく人が活躍する場合が多いです。どちらかというと精神論が好きな会社です。
精神論大好きな会社ですから、残業や過酷業務も進んでするというのが好まれます。
上司や会社に声を大きくできる人が評価されやすく、淡々と仕事をしていくタイプには環境として評価されにくい会社が多いです。
自己主張と意見をすることがやる気あるという評価になりやすいのが精神論優先の会社です。
その声高な主張が正解の方向へ進むのであればいいですが、ただの権益、もっと言えばワガママだとすると組織全体が悪い方向へ引き連られて沈没なんて冗談にもなりません。
いずれにしろ、仕事を中心に求人広告上でPRすると、どうしても売りづらい、もしくは難しい、過酷な業務感などネガティブな情報に繋がってしまいがちになります。
仕事内容が薄く書かれており、社内環境を中心に掲載されている求人の募集内容である場合は注意しましょう。
大多数に向けた見せかけの熱意のメッセージにそそのかされて転職しても、入社して半年もしないうちに現実を突きつけられます。
若い、それこそ新卒やその年齢に近いのであれば、それでも構いませんが個人的にはオススメできません。
経営者からの(熱い?)メッセージの求人内容
また社長がやたら出しゃばっている求人広告も、ブラック化している可能性があります。
出しゃばるというのは、写真やインタビューが社長一色で、他の社員はほとんど取り上げられていない状態のことです。
端的に言えば、ワンマン体質である可能性がかなり高いです。
もちろん一概にワンマン体質が悪いわけではありません。
しかし権限委譲をしっかりしており、あなた自身のやりたいこと、すべきことをある程度自由に任せられて活躍したいと考える場合は敬遠した方がいいです。
ワンマン会社は、何をするにも社長の許可が必要です。
本来であれば顧客と向き合わなくてはいけないのに、社内が社長の方を向いて仕事をしている場合が多々あります。
そして一番の懸念は社長に気に入られるかどうかだけになり、気に入られなければ解雇さえも平気で行われる可能性があります。(実績を出しても社長が気に入らないならアウトになります。)
もちろん、熱い思いに共感して応募するのもありだと思います。
無味乾燥な言葉を並べている会社より、あなた自身に響く言葉を経営者自身が語っているのであれば(精神論だけでなく業界の話なども含めてることが条件)一考してもいいと思います。
ただ一方で、感情だけに任せるだけではなく、自分が仕事に就いてどのような形で活躍していきたいかを冷静に判断する部分も持っていたいものですね。
ブラック企業を仕事内容で判断する場合
まず未経験でも応募できる会社が多いです。(技術者であれば経験者の可能性もあります)
仕事内容は誰でも分かるような内容で記述されています。
会社軸が中心であなたがする仕事内容に関しては無難な内容に終始徹してます。
例えば、
「あなたにはお客様に自社の商品を提案していただきます。」
「当社の製品をお客様と話合いながら導入していきます」
「パソコンを使った入力作業をしてもらいます」
「未経験の方でもしっかりと教えていきます」
また
「当社のサービスは業界でも有名」
「ベンチャー企業ですから新しい仕事ができます」
もちろん、未経験者募集で知名度もない会社であれば、仕事内容は分かりやすく無難な内容になってしまいがちですが、優良な企業であれば自社の商品紹介や独自技術、専門的知識を多少なりとも織り込んでいきます。
理由としては、自社に自信があるという裏付けがあるからこそ、取り扱う商材(製品、サービス)を詳しく紹介していきます。
仕事する上で最重要であるのは商品です。それを詳しく説明せずに募集すること自体ナンセンス。
「インターネットで商材を調べればいいじゃないか」
と思われるかもしれませんが、しかし実際に働く側に立った時に役に立つ情報、特にBtoBであればインターネットで調べるにも限界があります。
加えて秘密保持、内部情報などもありますから、よほど有名な商材でない限り、詳しくまで知ることはできないでしょう。
※ここ最近では企業によっては、会社のことをSNSで発信したりすること自体自粛、禁止する流れが大きくなっています。その為、現実的な情報を掴むのは難しくなっています。
では、なぜブラック企業が無難な仕事内容を伝えてくるかを見ていきましょう。
仕事内容が無難になるのは理由がある
無難な内容だけで終始している会社はそもそも、自社の特徴が市場において埋もれていると自己認識していることも考えられます。
市場に埋もれているということは競合関係が厳しく、売上や結果を出すのに通常以上に努力が必要になってきますし、需要が減少している商材を扱っている場合、将来性にも疑問符がつきます。
このような不安を払しょくすることも含めてホワイト企業(優良企業)は詳しく商材の説明を求人広告であってもするという根拠になるんですよね。
商材説明をしない=ブラックではありませんが、求人する場合に応募者に長く働ける環境をPRするには商材の説明は、必要な項目だと分かっているからです。
ブラック企業は入れ替わりが激しいことに慣れてしまっているので、詳しく書くより、いいイメージを植え付けることで応募への導線を作りあげる内容に繋がりやすいのです。
もしくは誇張気味な表現というべきでしょうか。
自社のPRがベンチャー企業です、は古い。
ちなみに今時ベンチャー企業という言い回しをしている会社は、ベンチャー企業ではありません。自社をベンチャー企業と名乗る会社は時代遅れです。
「ベンチャー企業で働く俺カッコいい!」
という勘違い・意識高い系採用担当者がベンチャー企業をPRする記事に仕上げてくれというリクエストが多かったですね。
自社の魅力がベンチャー企業であることなんて表現している会社は疑ったほうがいいです。
わざわざ「わが社はベンチャー企業です!」をPRする必要はありませんし、自己顕示欲的な歪んだ愛社精神が蔓延ってます。
ベンチャー企業かどうかは第三者評価ですし、いまはスタートアップ企業という方が普通です。時代の変化についていけてない会社ではないでしょうか。
給与による見分け方
給与は会社によって違いますので高い低いだけでは判断できません。
給与が低いだけでブラック企業に当てはまるかは微妙で人によって判断が変わります。
ただ基本的にブラック企業は高めの給与を提示しがちです。
給与が高いことを前提にしている求職者も多く居るからです。退職防止機能でもあります。
※異常に基本給が低い場合は、そもそも仕事内容や会社がまともでも給与が低い時点で将来的にブラック化することがあります。(経営構造/昇給少)
「稼げます。」
「ボーナスは年に3回あります」
「実績入社2年目 月収60万円。」など書いている場合があります。
これは嘘ではないですが、とんでもない売上を上げていないと、まず難しい数字です。
そもそも高給料を目的で働いている人が多い会社はライバルを陥れてでも自分の仕事を確保するというロクでもないギラギラした仲間が集まっている可能性が高いです。
なかには「インセンティブあり!」と強調している会社もありますが、そんな会社ほど社内は競争意識が強すぎてギスギスしています。
その環境で、まともな教育なんか受けれるわけないですよね。
いきなり現場に放り込まれて退職までのカウントダウンが始まるだけです。
また注意しなくてはいけないのが、「みなし残業代含む」場合の給与設定です。
みなし残業代とは、例えば月に80時間の残業をすることを前提として総支給額を給与額として提示している場合です。
この残業80時間の残業代は会社の論理としては支払っているので、80時間の残業代は出ません。つまり80時間の残業に満たない場合は基本給は下がります。
残業が0だとすれば、時間計算すれば最低賃金レベルということさえあります。
ただし、これは求人サイト内に書かれていない場合が多数ですから、面接で確認するしか方法はありません。
見分けるとすれば、残業代は時給換算×1.25倍と法律で決まっていますから、やはり他社と比較すると給与額が高く感じる場合はみなし残業が含まれてる可能性があります。
ブラック企業の場合、面接時に給与の話になるとしっかりと説明されないこともあります。
求職者側もあまり、ガッツリと聞くと印象が悪くなる気がしますから、曖昧なままの場合も多いようです。
そもそもブラック企業側は、最低ボーダーからスタートするのが当たり前と考えていますので、これまでの経験などは加味しない傾向が強いです。
ホワイト企業の給与設定
ホワイト企業の給料の特徴としては常識の範囲、もしくは少し低めの給与で設定して面接の時に希望を聞いてくれます。
※広告掲載には最低ボーダーの給与を記載しなければいけませんので、給与設定が低く感じますが、実際は経験・年齢などを考慮してもらえます。
定期昇給などは通常あるのが当然ですし、残業手当等もしっかり説明しています。
ホワイト企業では、給与は大切なことと認識していますから、面接で聞いてもしっかり答えてくれます。むしろ会社側から切り出してくれます。
これは給与体系がしっかりと社内で決定されているからこそ質問に答えられるという裏付けでもあります。
【重要】待遇(福利厚生)でホワイト企業は圧倒的に特徴が出る
いわゆる休日や福利厚生、賞与です。
これは経験則からですが、この待遇項目(福利厚生)でブラック企業を見抜くことができます。
求人サイトで意外と見過ごしがちになりますが、この待遇という項目が一番顕著に優良企業かブラックか差が出ます。
もちろん、無難というかブラック企業も、一応通常通りの待遇は建前では設定してます。
有給休暇取得や賞与が確実に得られるかは入社してみないとわかりません。賞与や慶弔は法的には無くても問題はありませんから。
良識ある企業や大企業の場合は、保養所や家族手当、住宅手当などが書かれている場合が多いです。
福利厚生が厚い場合は、細かく掲載したいというのが企業側の要望でよくあります。あれもこれもと出てきます。働きやすい企業は、手厚い待遇が特徴です。
当然ですよね。家族が増えても、家を購入してローンを抱えても安心して働ける環境があることの証明ですから。長く働けることを前提として待遇設計をしています。
企業側からすると、福利厚生は従業員に対する人件費以外のコストを支払うことに繋がりますので、通常は厚い待遇は敬遠したいのが本音です。
裏を返せば従業員を大切にする会社ほど、働きやすさの為にコストを掛けるべきという考えがあります。
だからこそ優良企業はこの待遇を記載することにこだわります!確実に伝えたい項目なのです。
これは間違いないです。
ここがブラック企業の場合、通常(無難?)の待遇しか書かれていません。
そもそも待遇制度としてない存在こと、また重視していないので、「適当に記載してくれたらいいから」と言われることもよくありました。
賞与(年2回)、有給慶弔休暇、社会保険有、通勤手当ぐらいですかね。
ほとんどないに等しいです。
待遇より仕事内容だ!と意気込む気持ちを抑えつつ冷静に判断する材料として有効ですから、ぜひ確認してみてください。
従業員数は重要ではない
従業員数が多いから優良でもなく、少ないから危険でもありません。
面接の時で構わないので確認しておくべきは、職務別の従業員構成比です。
特に自身が希望する職種の人数の確認はしておくべきでしょう。
例えば、1000名の会社に対して、非生産部門社員(経理、人事、事務等)が10人しかいないような場合は、猛烈にその部門は働かなければならない可能性が高いです。
生産社員(営業、技術職)を希望していても、本来非生産部門がすべき仕事を振られる可能性は高く、本来すべき仕事に加えて、付随する業務までこなす必要があります。
これは簡単に言えば、他の部署の仕事まで回ってくるということです。
営業であっても事務作業が多くあったりしますし、経理であっても顧客対応をしたりすることは多々あります。
また事業規模が大きい割りに従業員数が少ないなと感じる場合は業務量が多い傾向にあります。
そもそも業務量が多いからこそ募集をするのです。
企業は人材採用を増員目的でする場合(特に中途採用)は、業務量が社員のキャパを越え始め、はじめて人材を採用するという動きになるからです。固定費となりますからね。
長期的に見て、あらかじめ採用しておくという意図がある会社は教育もしっかりしている。(余裕があるからでしょう)
業務キャパを越えているからと求人するという場合は、すでにブラック化しているかその傾向がある場合があります。
なぜ人員を採用する必要があるのかを求人サイトや面接で確認しておくと後から大変な業務量を与えられるリスクを避けることができます。
(部署や本人の能力によりますから言い切れるわけではありませんが)
設立年数
会社概要や会社説明に設立年が記載されていることもあります。
設立年数に関しては過剰に反応する必要はないと思いますが、補足として記しておきたいと思います。
古い会社であえば50年越えている場合もありますし、100年以上経っている会社も珍しくありません。
会社が100年続いているからブラックではないとは言い切れませんが(これは財務的な話で負債が少ないとかになりますから)それだけ社会的には認められた会社と言えます。
逆に、設立間もない会社や数年の場合は業界次第です。
ITやシステム開発会社、バイオ系などの技術系会社であれば比較的ここ10年以内に社会的需要が高いので、設立された会社は多いです。
汎用的な商材やサービスを提供している会社で、設立年数が浅い場合は、他社との競争力があるポイントを見極めましょう。
安売り低価格での優位性を築いている場合、当然結果を残すには販売数を増やすこと、業務量を増やすことが当然発生していきます。
従業員の平均年齢は長く働けるか重要点
従業員の平均年齢は、ブラック企業を判断する際に有効です。
平均年齢が20代~30代前半であれば、若い時に使い捨てされる可能性が高いです。
※ただし、IT関連など比較的新しい会社や技術を扱う仕事であれば、若い平均年齢になるのは当然ですから、業界によって変わります。
そもそも30代であれば扶養家族が増える可能性がある時期ですから、家族を養っていかなければならない年齢になっています。
40代であれば住宅ローンや学費等さらに費用が掛かる年代です。
平均年齢が若いということは、裏を返せば長く働くことができない職場であるということです。
年齢によって、体力面・給与面で不足していくことは確実になる企業です。昇給も少なく、体力勝負の仕事になってしまうと若い時しか働くことはできないですからね。
例えば、平均年齢が若い企業が多い飲食業、アパレル企業は業界自体が典型的にブラック体質化しています。
もちろんすべての会社ではありませんが、飲食、アパレル業界自体がブラック化しなくては生き残れない事業構造になりつつありますからね。
あなた自身が今後のキャリア形成の上で飽くまで踏み台として経験したい、ノウハウを付けて独立したいなどの場合は別として、長く働いていきたいと考えるのであれば、当然避けるべき企業になります。
イメージ写真
求人サイトには、会社の写真が掲載されていると思います。いわゆるイメージ写真です。この写真に写っている人物を見ることも大切です。
結論から言えば、あなたと一緒に働くメンバーが写っているかどうか。
だって、あなたがもし応募する際に、これから一緒に働く人たちが分かっていた方が、良くないですか。
会社のロゴや建物、もしくは商材が写っているだけでは実際どのような人が働いているか分かりませんし、気になりますよね。
実際にリアルに入社のイメージや仲間の情報として提供するには現場の生々しい写真が大切です。たかだか社員の写真ですが、これは重要です。
例えば、体育会系でガッツポーズ取るような熱い人物ばかりの会社で馴染める人もいれば、そうでない人も居ます。
高いオシャレなスーツやジャケットに身を包んだようなメンバーが活躍しているような会社で憧れる人もいれば、苦手な人も居ます。
これは文章ではなかなか伝えられない情報です。
一番、頂けないのは画像素材から引っ張って来た若手のやる気に満ちたようなイメージ画像を使っている場合。(特に若い女性が写っているイメージ画像は注意!!)
そもそも自社に来て欲しいと本気で思っていないということです。
僕自身も、求人する際に写真撮影をお願いするのですが、「写真は面倒だから」「適した人物がいない」「インターネットに顔が出るのはちょっと」などと断られることが結構ありました。
求人サイトを運営する側としては、応募者に来てもらうにはどうすればいいかを考えているわけです。
その一つとして写真はとても大切な情報で、採用企業側に抵抗があっても何とか説明して、写真撮影をお願いしています。
それでも断るというのは、現場の社員に余裕を持たせていないということが原因です。もっと簡単に言うと「笑顔で仲間が迎え入れますよ!」という雰囲気がない、というか作れない。
硬く暗い雰囲気の写真しか撮れないわけです。肩を並べて、まるで軍隊かのような感じになる写真になったりします。
これが結構出るんですよね。悪い雰囲気が…。社員が暗い…。
ブラック企業では、10枚撮っても良い雰囲気の写真は撮れないものです。
それならば、写真なんか掲載しない方がいいという判断がブラック企業側には分かっているわけです。かわいい女性のイメージで引っかかるような人でいいわけです。
そもそも、業務を止めてまで写真を撮影するという理解がない場合もあります。そういう見えない圧力や社内環境(空気感)があるので硬い雰囲気になる要因の一つになっています。
そう難しい話ではありません。あなたが「こういう人たちと働くことになるのか」と見せてくれる会社を選べば問題ありません。
初めて求人サイトを見るような時は、若いかわいい女性が写っているかもしれませんが、引っ掛からないように…。
新卒や20才前後なら引っ掛かるのも仕方ないかもしれませんが…。
求人サイト運営会社のスタンス
求人サイト運営者側としては、掲載件数が多く、求職者からの応募が多ければより魅力的な媒体になります。
その結果として、より掲載社数が増加=売上が伸びるわけです。その結果としてブラック企業であっても件数を重要視して媒体に掲載されるわけです。
求人サイトはもちろん、派遣、業務請負など求人ビジネスの競争はかなり激しい状況ですから、何とか掲載社数を確保することが目的になりつつあります。
求人サイトのビジネスモデルから考える
求人サイトの運営会社のビジネスモデルは、非常に単純で自社媒体に広告として掲載してもらう古典的なモデルとなっています。
求人したい企業がサイトに掲載することで、運営会社に売上が上がります。
元求人広告の営業の僕が言うのは何ですが、
【売上の為なら多少の無理をします!】
明らかにブラック企業だと思っていても法的に問題ない会社であれば、失注するよりは売上です。読者がブラック企業で苦労しようがそれは、別問題です。
※もちろん基礎にあるのは、企業と読者との良い出会いを望んでいますよ。
読者には申し訳ないのですが、求人サイト媒体側としては広告主が最優先です。
もっと生々しく言えば、ブラック企業の人材採用を成功させることが仕事です。
(もちろん優良企業でも同じですよ。ただブラックでもホワイトでも顧客としては同じ扱い)
また反響がないのもリピート顧客化に繋がりませんので、盛り気味の内容で求人内容の記事を書きます。
これが、よく求人サイトでブラック企業が多いと評価される本質です。つまり応募者確保の為に情報を加工する技術を駆使しているわけです。
実際、営業側としては応募がないのはおそろしいことなんです。売れたらいいというわけではないのがこの仕事のプレッシャーでした。
反響がないのに数十万円という費用はしっかり回収しなくてはいけない。支払拒否する会社もあったりしますからね。裁判までいくことも数回…。(もちろん顧客側が訴状取り下げで終わりますが)
もちろん媒体側の言い分としては、角度を変えれば悪い所も長所になる場合があるので嘘を記述しているわけではありません。
ただ、そこはプロなのでストレートのど真ん中ばかりの表現はしません。
例えば怒号飛び交うような職場なんですよね。と相談を受ければ、
「あなたが仕事で失敗した時には、激励してくれます」
と表現し、
時間外労働が長いようであれば、
「仕事中は充実した時間が過ごせるので時間が経つのが早い」
などと屈折した表現を用いります。
物は言い様とよく言ったものです…。言い回しの裏にはネガティブな情報がある場合も多々あります。本質的に裏を返せばどういうことがあるかを探った方がいい時もあります。
決して嘘ではありませんが、いかにうまく伝えるかが求人サイト側が悩むところです。
繰り返しますが、盛り気味で書くのは反響がないことを恐れているからです。やはり売上を継続的に得るには結果を求められますので文章の裏読みもしてみてください。
求人記事を丁寧に書かない方が媒体側は儲かる
求人内容をしっかり書くと良い人が来て、ミスマッチなく定着します。会社の求めている人物と転職したい人とのギャップが少なくなりますからね。
「楽しいですよ、簡単ですよ、和気あいあいとしてますよ」と適当に書くと応募者も多く採用できますが、半年もすれば辞めてしまい定着しません。
緩い会社と思って応募するんでしょうけど、現実は仕事なので厳しいのは当然。
求人サイト運営会社側(営業の指示が大半)としては、入社した人が定着して求人掲載をしなくなる会社よりも適当なことを書いた方が定期的に仕事が舞い込んで来るのです。
離職すれば、求人広告を掲載しなくてはいけませんからリピートは大きな売上源です。
良い人を採用すれば、顧客の事業が成長して人をさらに採用するようになるから定期的に仕事は来るという理想もありますが、正直それもどうだかというのが現場の考えです。
それだと数年単位で採用を見ていかなくてはいけませんし、3年に1回の顧客より、3か月に1回の顧客を欲しがるのです。
求人営業側とすれば、掲載回数と企業数が短い期間で、回れば回るほど売上が上がりますからね。これが、転職サイトに疑問を持つ人が居る本質的な問題の一部です。
求人広告営業としてはブラック企業ほどおいしい
これまで述べてきたことと重複することになりますが、営業側としては年間の掲載回数が多い顧客ほど営業自身にとっては優良顧客になっていきます。
正直、ブラック企業であれば、人の入れ替わりが激しいですからそのたびに求人募集をする必要があります。
辞めたら補充する必要がありますので、掲載回数も増加しますので売上が見込めます。
わざわざブラック企業や不人気業種を狙う求人サイト、営業もたくさんいます。労力を多く使うことなく結果が出ますから。
ブラック企業を狙う求人サイト営業が多く存在するということは、
当然、結果的に求人サイトに多くのブラック企業が掲載されるという結果が反映されるわけです。
僕自身はブラック企業を狙うことはしませんでしたが(そもそもメーカーや製造等堅い会社が好き)、数十社のブラック企業を担当していたのも事実です。
売上が確実に見込めるので、ノルマ達成感への安心感は大きい存在でした。
それだけに次々とブラック企業を魅力に感じ、新規開拓する営業担当がたくさん存在します。
これが求人サイトにはブラック企業の割合が増加しているという構造に繋がっている現実です。
比較的安全な転職サイト
ここでは比較的安全なサイトを紹介します。
元求人広告の営業経験者として設定した転職サイトの安全基準は以下のものを設定しました。
- 掲載費用が最低でも10万円以上(最小サイズ)
- 企業審査がある(法的、運営会社独自)
- 掲載期間が1週間~最高でも1か月で終了(掲載社数多)
おすすめ転職サイト比較
転職サイトを覗いているだけでは、実は損をしていることが多々あります。
登録することで、スカウトメールという個別のメッセージが企業側から送られて企業側から欲しがられることもあります。
1つのサイトだけ登録して活動するのは、比較検討や掲載企業との出会いの幅を狭めるだけです。
スカウトメールも媒体によって送りやすい送りにくいがあります。2~3のサイトには最低でも登録しておく方が転職活動期間を短くできるコツです。
希望条件を登録することで、希望に近い企業が掲載された時にお知らせが来るので、タイミングを逃さず転職機会を得ることができます。(掲載期間が短期なら尚更)
リクナビNEXT
最大手であるリクルートが運営するリクナビNEXTです。
新卒の就職活動時に、まず登録するのがリクナビです。このリクナビの次に人生上で利用するという意味でNEXTなんです。(これはどうでもいいですね)
リクナビNEXTは転職専用(中途採用)サイトです。
特徴としては、掲載社数がどのサイトよりも一番多く、企業を比較検討できます。また掲載期間も2週間ですので、常に新鮮な情報を得ることができます。
未経験者から経験者、専門性が高い職種までカバーしています。
サイズにも依りますが、掲載費用は高いです。普通に150万、50万とか(2週間掲載)掛かります。(一番安い文字情報だけでも20万円!)
この金額で採用がうまくいく保証もないんですけども、それだけ人材に投資できる会社ということの裏付けでもあると思います。
はたらいく
こちらもリクルートが運営しています。
若手の未経験でスタートでするのなら、よりライトなはたらいくです。主に20代、第二新卒を中心に採用したい企業が掲載しています。
多少掲載料金は安いですが、ハイスペックな人材向けではないので価格が低めになっています。
決して人材にお金を掛けないというわけではありません。
その点、比較的しっかりした企業が多いです。もちろん、社内環境が悪いなど主観による判断は反映されませんので、よく内容を吟味する必要はあります。
バイトルNEXT
バイトルNEXTは、dipが運営するサイトです。こちらも若手未経験を中心の転職がメインとなります。
アルバイト経験があれば、正社員採用するというコンセプトもあり教育体制がしっかりしている会社が掲載する傾向があります。
こちらも掲載社数が多く、比較がしやすくなっています。
掲載料金はエリアやサイズが細かく分かれていますが、最低でも12万円程度ですから人材にお金を掛ける企業と言えます。
掲載期間は2~8週間と選べますが、珍しく大きいサイズに関しては2週間しか掲載できませんので情報の新鮮度はやや高い方でしょう。
審査に関しては、ごめんなさい。不明です。(確実にありますが、基準が不明)
DODA
DODAは、パーソナルキャリアが運営する転職サイトです。
主たる転職事業は、人材紹介ですが求人サイトも運営しています。ハイクラス求人から未経験まで幅は広い求人が並んでいます。
登録するとマッチングのDMも送信されてきますので、条件や経験を書いておくことが良いでしょう。
掲載期間は4週間、掲載料金は150~25万円と高いです。その分、採用に力を入れている企業が多いです。
人材紹介も受けている企業も多いでしょうから、ブラック企業はこの中でも一番少ないかもしれません。
専門に特化した求人サイト
大手サイトではなくても、特定の職種に特化したサイトもあります。
例えば、デザイナーやプログラマーをターゲットにした媒体、ITや介護や飲食など業界に絞った媒体も同様にあります。
主に経験者を中心にして募集していますので、これまでの経験を活かす時に有効です。
転職サイト以外で活動する方法
インターネットサービスだけが転職活動ではありません。
人材紹介会社や自力で動くことも転職する方法です。
人材紹介会社(転職エージェント)を利用する
人材紹介会社に登録するのも、ブラック企業を避ける方法の一つです。
人材紹介会社のビジネスモデルとしては、紹介して求職者と求人している会社が雇用契約書を交わすことで初めて収益が出るモデルです。
この費用が採用した人材の月給3か月分が相場です。
例えば採用1名に付き月給30万円であれば、企業は90万円を紹介会社側に支払います。
ブラック企業側としては、この費用負担は考慮できない額です。大量募集大量離職が基本ですから、単価としては補えません。
また、人材紹介会社側の営業、カウンセラーも対象企業のことを把握していますので、あなたの適正や希望を考慮してくれます。
人材紹介会社については別記事にてまとめていますので、よければご覧ください。
自力で全て賄う
あなた自身の労力はかなり使うことになるかもしれませんが、自力で全て賄うという方法もあります。
それはホームページや電話で募集しているかどうかわからないけども、入社試験をお願いするということです。
転職サイトに掲載するのは結局タイミングが合うかどうかです。
例えば、どれだけ優良なホワイト企業であっても求人広告の営業が来なくては掲載されません。
年度の採用予算を使い切った後、もしくは絞っている場合も同様です。