飲食店ブラック企業に入社したことを話そうと思う。【新入社員研修編】

飲食店などについて普段書いていますが、今回は僕自身の体験談とその失敗や学んだことを、読まれているみなさんが同じ様なことにならないようにまとめてみました。

そう、入社したのはブラック企業です。

当時はブラック企業なんて概念もなかったですけど、その後この会社は労基監査でだいぶ絞られます。

まあブラック企業の一端が伝わればいいなと。あなたが就職する時にブラック企業を避けれるヒントになればいいと思った次第です。

まずは入社後にすぐ、受ける新入社員研修を回顧しますね。

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ブラック企業に採用されて

僕が新卒で入社した会社は外食チェーンでした。

いくつかの業態があり、レストラン事業部、ファーストフード事業部、カフェ事業部とあり、希望を特に聞かれることもなく僕自身はカフェ事業部に配属されることになりました。

まあ大学出てまだ1か月程度しか経っていないのですから、夢や希望をそれなりに持って入社したわけです。

新入社員研修は鬼合宿

入社後まず研修を2週間を受けてそれぞれ配属になるという仕組みでした。

この時は会社が急成長していたのでしょう。

まず新卒も中途採用の方も大量に採用していたので、研修も30歳を過ぎたような方とも一緒に研修を受けるような状況でした。

いま考えたらここで、疑問を持つべきでした。

そんな突貫作業みたいなことしないですものね、普通は。

まあ当時はそんなものなのかなくらいだったわけですが。

この入社後の研修が鬼合宿なわけです。

まず合宿所という名の普通の賃貸マンションに缶詰状態で、会社の研修センターとの往復以外は出入り禁止という軍隊みたいな生活。

しかも個室は当然なく初顔合わせのメンバー10名位で3LDKの合宿所(何度も言いますけど普通の賃貸マンションです。)

テレビもなく、完全外部の情報も分からないようなところに2週間居るという今から考えると、何ともひどい研修です。

毎日テストが研修中にあり、テレビの代わりにレシピやマニュアル見ろと、鬼軍曹は居ないけど、常に千本ノック状態です。

1人のスペースも1畳あるかどうかだし、何より一番困るのが風呂なんですよね。

長蛇の列になります。普通の家庭用風呂が1つだけですから当然、1人20分として最後は200分待ちとUSJのアトラクション並みに待つという笑うに笑えない環境でした。

洗濯は日割りなので何とか大丈夫でしたが。

研修で学ぶことは現場の労働力化

コーヒーの練習

研修はおそらく大手チェーンなら同じようなものでしょうが、基本はレシピとマニュアルをひたすら実践していく、終盤は実店舗で働くということでした。

ただただ仮想オペレーションを永遠にしていく。

研修初旬は自分で作ったものを試飲試食が楽しみだったのですが、それがいつしかご飯代りになって、ただただ試飲試食していく。

飽きるのはいいんですが短時間で何杯もコーヒーやドリンクをひたすら飲むと気持ち悪いんですよね。当たり前ですけど。

最後の方は一口飲んで捨てるという作業でしたね。

これも今振り返ると、正社員として採用されたからには飲食店の経営には必須のFL関係はもちろん、数値コントロールや販促関係のことを研修内容に含まれていないこと自体がおかしいと思わないといけなかったですね。

ただただ、店さえ回せるようになれば、後は余計なことを考えなくていいというメッセージでしょうか。

確実に利益率は、飲食店の中では高いチェーン店でした。

本部の指示をひたすら現場に落とし込んでいけば、勝手に利益は出る。

基本的に、現場社員のことなど信用していないのは明確です。経営の数字を教えたところで現場に何ができると平気で言う幹部社員も居たようですので。

ブラック研修わずか3日で脱落者が発生!

脱落者

軍隊生活、研修生活3日目で初の脱落者が出ました。

そうなると即刻強制退去なんですよね。

研修担当も止めるとか理由を聞くわけでもなく、「わかった。じゃあ帰って」と10分後には荷物まとめて出て行かされるわけです。

合宿所も新幹線の駅から結構遠く、しかも夜9時くらいの申告だったので最終の新幹線もない(その人は確か大阪)歩いても駅まで1時間はかかるであろう場所でしたけど、容赦なく退去という。

どう過ごしたかは分かりませんが、さすが軍隊上場大手チェーンです。

そもそも仲間ではなく、所詮、寄せ集めなので、誰も相談に乗れるような立場でもなかったですし、ただただ成り行きを見るしかないといったところでした。

こうなると後は雪崩を打ったように毎日誰かが脱落していくんですよね。

負の連鎖というか、堰を切ったように辞めていってわずか1週間で残ったのは半分の5名でした。

これ冗談じゃなく本当に。

人間プライバシーゼロの時間と外部遮断が続くと耐えれないってことです。

先輩社員の不満や噂が渦巻く

うわさ

研修中には会社にSVや偉いさんも居ますし、ジョームとかブチョーとか特に何もせず社内散歩してるだけのような人もたくさんいるわけです。

本当は仕事してるんでしょうけど。

研修も2時間位に1回休憩があり、休憩スペースがあるんですけどそこは灰皿もあり次から次に先輩社員が現れるわけです。

そこで、社内事情なんか全く知らないピュア?な僕らに色々と話してくれるわけです。

「◯◯常務に気に入られてる△△さんは媚びて出世してるからなぁ」

とその△△さんの媚びてるモノマネまでご丁寧にしながら教えてくれます。(ゴマすりアクション付)

「××部長は、ホント仕事できないから早く降格したらいいのに」

逆に「●●常務はすごい人だから。なんせ人気商品作って出世してきたからなあ」とかお褒めのコメントも。

こんなギトギトした話を新入社員にするわけですよ、それも毎日。

研修も中盤になると同期の中にも2名ほど「●●常務はすごい人らしいよ」「すごい出来る人」「××さんは外様だからなあ」と言い出すんですよね。

そもそも顔も合わせたことない人を崇め出したり、仕事出来ない扱いしたり。

はい、立派な危険因子の予備軍の完成です。

人間の本能的に長いものには巻かれた方がいいとなるんでしょうね。

僕には特に興味なかったのと、社内事情なんか面倒くさいとしか思ってなかったので、みんなもそうだろうなと思ってたので、さすがに崇める発言をし出した時はドン引きしました。

しかし言ってる当人は真剣そのものなんで、否定とか冷静なれよって言葉も言えなかったですね。

今考えると組織の怖さを改めて感じる出来事です。

上司になるかもしれない人たちを悪気もなく、むしろ親切なつもりで新入社員に教えてくるのですから、ブラック企業感ハンパないです。

研修最終試験で必要なことはやはり労働力だった

不理解

研修最終日には試験があると聞かされてました。

ここで損益分岐点の計算とか原価率計算とか出ると思いますよね?試験ですし。

内心ドキドキしながら試験内容を聞きました。

そもそも研修でそんな座学的なこと全くしてないんで、出るわけないんですけどこういう時だけネガティブな想像力が豊かになってしまいます。

で、その最終試験の内容は

「コールドドリンクの氷をマニュアル通りの量を1発で入れられるかどうか」

「誤差はプラスマイナス5g」

「ダメな場合は翌日まで卒業できず一日中練習」

マジか・・・。

それしか言葉は出なかったです。

もっと正社員としての何かが求められる試験とは思いましたが、まさかの氷の量目かと。

確か120gと150gと200gの3回だったと思います。これを50過ぎたおっさん事業部長が真剣に見て判断するんです。

「オマケはしません。」真剣そのものな顔で。

量目自体は大切ですよ。もちろん。

でも最終試験でシーンとした中、固唾を飲んで各人が見守るんです。

氷の量を…。

おっさんたちと夢と希望持って入社した若者たちが。滑稽としか言いようがない。

無事にパスしましたけど、当時も今も感想はそんな大人たちが必死になる内容か?と。

教育プログラムを設計した全員がその試験でいいとしたのが不思議です。

何度も言います。組織は怖いです。社内の常識は世間の非常識ですが気づかないんです。

それでも研修終了!これで自由の身となる

解放

いろいろ違和感があり続けた2週間の研修も終わり、やっと自由の身になった気分でした。

配属先も言い渡されました。

当時僕は京都に住んでいて神戸が配属先になりました。近所と言えば近所でしたが、いきなり言われたのが3日後には配属先で働けとなったわけです。

僕はまだその気になれば電車で通勤できましたが、大阪の同期は熊本と東京に。

まあ、これも無茶苦茶ですね。

社宅は勤務地に用意されてるので、じゃあ2日で引っ越してというタイトスケジュールです。

と言っても無理とは言えずバタバタしながら引っ越ししたのを思い出します。

それでも研修が終わったことで解放感はすごくありました。これで自由の身になるんだと。

ここから先はご興味があれば、下記からお読みください。

前回は僕がブラック企業飲食店の研修について書きましたが、今回は配属になってから異動までを。 前回の記事を読まれていない方は、関...

ブラック企業新入社員研修まとめ

ここまでお読みくださりありがとうございました。

体験談としてお役に立てるかはわかりませんが、以下の特徴があればブラック企業じゃないかと疑ってみるのもいいかもしれません。

精神論優先

ここで書いた合宿で精神的耐久を求めるということを正当化する企業は危ないです。

精神的に強さを求めるの悪いことではありませんが、やり方がそもそも間違っている場合は疑ってかかるべきでしょう。

本当の精神力というのは、理不尽であったり、間違いに対しても屈しない強さであり、ただただ耐久することを求められるのはブラック企業にコキ使われても辞めないという踏み絵という見方もできます。

不確かな情報でも派閥に取り込もうとする

利害関係が無かったとしても、新入社員に人の悪口を言ったりする会社も危険です。

そもそも新入社員はある程度高いモチベーションを持って入社してきています。

その出鼻を挫くような発言を多数の人間の前でベラベラ話してしまう自覚のない社員が多い場合、体質的に足の引っ張り合いに陥る危険が潜んでいると考えて間違いないです。

客観的に見えていないこと

ここでは最終試験の内容のように、正直そこまで大切でない、優先順位が明らかに間違っている場合でも社内の常識に染まってしまいます。

疑問を持つことができない状態(思考停止)になっている場合、実際の仕事においても利益など優先すべき仕事より社内政治を頑張る人間を評価する可能性があります。

実績などは卑屈に捉えられるだけになります。

最後に

いかがでしょうか。

漫画に出てきそうな話の部分もありますが、どれも事実なんです。

結局、企業が病理に侵されてしまうと新人研修さえも自己の権威の強化や会社にとって都合よく使える人間だけ(余計な思考や挑戦は不要)を生み出す装置になりかねないということです。

みなさんも研修にスポットを当ててみて自社がおかしいことになってないか確認してもいいかもしれません。

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