飲食店マネジメント【初級編/固定費について】

飲食店に限らず事業を営む上では、固定費と変動費があります。

今回は固定費について説明していきたいと思います。この数字をコントロールするのも飲食店マネジメントの一つです。

固定費とは売上に関わらず、毎月掛かる経費のことです。

言い換えれば何もしなくても出ていくお金ですね。

例えば、家賃などが含まれます。

売上に関係なく確実に支払う必要があるため、この固定費が高止まりしたくはないですよね。しかし必要最低限の経費ですから簡単に下げることもできないジレンマがあります。

一見、下げることができない固定費を削減する方法は店舗での各契約の見直しをすることで可能、しかも複雑なことではなく、ただ契約している業者に資料をもらって相談するだけで月額固定費を抑制できます。

それでは、まず主な固定費の項目とどの程度に抑えることを目安にするか、契約見直し減額方法を考えていきます。

スポンサーリンク
レクタングル大

主な固定費項目

固定費においては事業によって違うこともありますが、以下の項目が通常掛かります。

  • 地代、家賃
  • 設備リース料
  • 正社員の給料
  • 減価償却費
  • 保険料
  • 水光熱費
  • 交通費
  • 支払利息
  • 租税公課etc…

他にも項目はありますが、上記が主な固定費になります。

どれも毎月売上に関係なく必要となる経費ですね。

普段の生活でも家賃や携帯料金やローンなどが月末に引き落とされるのと同じです。

固定費(家賃 、リース代、社員給与)の目安

経費関係図

固定費は全売上の約25%程度に抑えるのが正常です。

その中の家賃は10~15%程度までが適正です。売上が月500万円なら固定費の総額は125万円となります。ざっくり考えても結構な額ですよね。

売上に関係なく掛かる経費ですから、固定費を削減することが利益を増加できることの一つです。闇雲に売上を取りにいくことより固定費額を減少し、手元に確実に残すことが労力もコストも多く掛かりませんし、まず見直せるものから手を付けていきましょう。

固定費削減方法の基本は契約見直し

契約見直し

そもそも固定費は契約関係を見直すのが基本です。

例えば、家賃契約も毎年更新時に見直しを図る(この方法は別の回で詳述します)、警備費、電力関係、ゴミ関係、メンテナンス、リース系、保険、減価償却費の早い回転などが挙げられます。

保険などは契約したまま内容を見直さず、そのままにしていることもあります。

保険等も大きな補償が必要でない時や事業に関係ない部分まで補償対象になっている場合もあります。

ゴミも商店街などの場合は商店街組合などで一括で発注している場合もあり、難易度は高いかもしれませんが商店街組合で一度契約自体を見直す提案をしてみるのもいいでしょう。

個店だけでなく企業や商店街組合も数十年も前から同じ契約のまま見直しもせず、そのままというのは結構あります。

警備関係や清掃関係も過剰な部分まで契約内容に含まれている場合が多いので、手間が掛かっても再度プランを選び直すことが有効に働きます。

現在は多くのサービスがあり、価格も下がってきているにも関わらず何も考えないのはもったいないので、実情と照らし合わせて実態に沿った業者契約を行いましょう。

固定費削減は人件費の変動化

社員からアルバイトへ

正社員をアルバイトに置き換えることで固定費を変動費化できます。

正社員の給与は月給制で固定費と考えます。もちろんアルバイトよりも時間給単価を計算しても高くなりますよね。

また社会保険料や福利厚生費も掛かります。一方アルバイトはシフト制で1か月の総労働時間数が短時間であれば社会保険料も不要です。

正社員の給与が仮に総額35万円として、アルバイトを代用した場合

30日×8時間稼働×時間給900円=216000円

この差額が約13万円。

結構インパクトがある数字ですね。

しかしながら正社員とアルバイトでは仕事の質やサービス低下を招くリスクも含んでおり、売上が下がるといった事態は避けなければいけません。

契約社員・準社員に置き換えるなどの転換が一番安全策なのかもしれません。

まとめ

固定費を下げることは、店舗を低コスト体質にする一つの方法です。

固定費が下がれば財務的にも楽になり、確実に残る金額が明確になる為(現在と削減後の差異)、今後新しい投資をする原資にも充てやすくなります。

しかし、単にコストが下げれるのではなく、現状との契約内容のズレを見直す。人件費に関しても売上を維持することが可能と判断した場合にのみ適用することにしましょう。

スポンサーリンク
レクタングル大

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
レクタングル大