大阪の経済地盤沈下と叫ぶ町工場オヤジ

前職の関係上、町工場の社長と知り合いになることがあり仲良くさせてもらっています。社長と言っても町工場なのでいわゆる零細企業ばかりなんですが、どうも景気の良い話が出ることが少ないのです。「大阪だけ景気が悪い」と。

僕は大阪で仕事しており、その知り合いの町工場も東大阪とか門真とか大東とかいわゆる工場地帯の面々です。電機メーカーが多かった地域ですね。余談ですがこういう地域に行くとホント大変です。駅から徒歩20分とか普通ですから。20分といってもずっと誰一人として歩いている人も無く、まあ「本当にここは大阪か?」と思うくらいです。そりゃ住宅もないから当然ですけど。

それで話をしていて、どうも大阪は東京や名古屋に比べて景気が悪いということを何度か聞くことがありました。確かにシャープは鴻海に、サンヨーも無くなって、白物家電をはじめ電機メーカー自体がすでに海外が中心なのでそうなのかなとその時は思っていました。パナソニックはまだ大阪ですけどね。

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大阪の地盤沈下とくくれるのか?

そもそも大阪という地域だから景気が悪いっていうのは余り好きではありません。それは個社ごとで違うだろうし、そもそも事業構造自体がすでに現在の環境に適応できていないだけで、地方でも元気な会社はいくらでもあるわけです。

ものづくりが中心の工業地帯であるが故に括ると不景気に見える

町工場はいい意味では歴史ある会社が多い、悪く言えば変化をしてきていない。モノづくりを中心に発展してきた経緯を考えると昭和のビジネスモデルを未だに継承している会社が大阪の工業地域に集まっている影響がそう感じさせるだけです。これはあくまで僕の主観です。

下請けから脱出できない、または下請けでも競合ひしめく中にいるのか、独自技術や提案力で下請けからメーカー化しているかで大きく違うのです。その努力をしている会社が過去に事業に再投資してきたかどうかが現在になってその差が出ていると思います。

大阪では事業構造がいびつな可能性

しかし実際マスコミなども今では大阪はインバウンドで賑わっている報道を伝えてますが、少し前までは大阪が地盤沈下しているという報道は間違いなく多かったです。

こちらの論文を読んでみたところ、結論から言えば地元に再投資先がない、もしくは再投資していないことが構造的にあるということ。これはかなり衝撃です。つまり稼いだ利益をさらに事業に投資することが少ないということです。決して貯め込んでるという話ではなく、稼いだ金を流出している為に地元に仕事量のボリュームが出ないという構造になっているということでしょう。

『大阪の経済的地盤沈下についての研究三大都市圏の比較から』榊原 雄一郎著

そもそも事業は再投資することによって成長する運命にあります。例えば、設備の更新であったり、新商品、新技術への投資でさらなる稼げる事業にして成長させていかなくては市場の環境変化についていけず衰退することは確実です。その投資が大阪以外へ流出している部分も多く、域内で経済が循環しないということは地元中小企業に波及するのは当然です。

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