飲食チェーンの経験談。システム自体が過酷状況を生んでいる。

前回は僕がブラック企業飲食店の研修について書きましたが、今回は配属になってから異動までを。

前回の記事を読まれていない方は、関連記事からご覧ください。

飲食店などについて普段書いていますが、今回は僕自身の体験談とその失敗や学んだことを、読まれているみなさんが同じ様なことにならないようにまとめ...
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配属先決まる

前回の件で神戸の店舗に決まったのですが、また三ノ宮駅近く売上だけは社内で日本数本の指に入るくらいの店舗でした。

結構な大型店舗でカフェというよりもはやファーストフード店の様なものでした。

それでも大型店を最初に経験しておくのもいいなと思っていたので(基本規模は40席程度でここは3倍の120席程)文句は全然ありませんでした。

休日システムの巧みな罠

まず、赴任の挨拶に行きますよね。

当然その日は挨拶だけしてバタバタ引っ越し劇だったので、部屋の片付けをしたいところですし、当然休み扱いだったのですぐ、帰るつもりでした。

店長らしき人を見つけ挨拶すると、

「おう。話は聞いてる。」

そこまでは普通です。

「今日ちょっと忙しいから入ってもらっていい?」

二言目で、それです。

意味が分かりません。

でも、意味が分からないこと言われても、素直な新入社員を演じたいわけじゃないですか。

断れませんし、まあ2~3時間ならいいかと思いその日は手伝いました。

店の雰囲気を知ったりアルバイトのメンバーにも数名会えたので、それはそれでよかったのです。

「休みなのに悪いな」とも言われたので全然気はしなかったです。

翌日からのシフトは怒涛の6連勤でしたが、慣れない環境で緊張の連続でこの時は、あまり記憶にないです、正直。

1週間後に休みになっていたのですが、また人が居ないから短時間(5時間)ながら入るということになりました。

その翌日からは4勤シフトだったので、違う日に休みを変わりに取ればいいじゃないか、と思いますよね。。そうはブラック企業問屋は卸さないのです。

これは赴任してからしばらくして知ったのですが、実は会社カレンダーというものがあり、全現場社員に対して会社から1か月の休みを指定されているんです。

つまり、会社の指定日以外に休みを取ること以外は欠勤扱いになるというシステムです。

いやそりゃ、オフィスワークの会社で土日が休みであり、それ以外に休日を取ればまだギリギリ納得しますよ。(それでも休日出勤の代休は必要と思いますけどね)

例えば、6月8日に会社から休み指定されているとします。しかし、人が不足していて6月8日は出勤し、6月9日に代わりに休むとこれが欠勤扱いになるということです。

会社からすれば社員は会社指定日に休みを取るようにシフトを組むようにしろと。それができないのは店舗マネジメントができていないからだという論理らしいです。

どうしても用事がある時は1か月前にはSV(スーパーバイザー)に連絡すること、研修から変わらず軍隊管理です。その前提には自社の社員がサボるんじゃねえかという不信感は当然あるんでしょうけど、そもそも

これ考えてみると実に巧みにできているシステムだと思うんです。

会社は月8日程度の休日を与えていることになりますが、実際その通りに休日を取れることは難しい、よくて月5~6日かと。

しかし指定日以外は欠勤になるのであれば、必然的に休日出勤を強いられる、しかも月給制なので勤務日数は勘案されない。

公休カレンダー

また改めて書きますが残業代は1円たりとも支給されません。指定日以外休みを取ると減給はされます。

入社前や研修で、会社カレンダーや残業代について説明しないということがブラック企業でしたね。

前回も書きましたがひたすらオペレーションに専念させることで勤務実態のことは触れない。

ここで、この会社に入社したこと自体を大いに失敗したことに気付いたわけです。まだ赴任して間もない時期にそう感じました。

確かに会社説明会で残業に関しての質問にはお茶を濁すような返答しかしてなかったのを同時に思い出しました。

整理します。

社員の休日は会社指定日

指定日以外の休日取得は欠勤扱い

休日指定日に人数が不足していれば休日出勤をせざるを得ない

勤務日数や勤務時間によって給料が変動することはない

人件費がその出勤している時間帯は掛からない(サービス出勤、残業)

そもそも365日営業している店舗で会社カレンダーがあれば、休みをいつ取るかといった指標になりますし、導入した時期は社員が休めない為に導入したものであろうかとも思います。

しかし柔軟性に欠くデメリットもあり、これが管理、管理、管理という企業文化が輪を掛けて制度が歪曲化したマネジメントを生んでいくわけです。

システムを絶対視し、社員に対して監視するという姿勢が結果的に臨機応変さを欠く思考を生んでしまう。

もちろん今では、改善されていると聞きますが、一方で人時生産高が4000円以下のシフトを引くとエラーが出るフォーマットになっているらしく、結局休日出勤が常態化してしると思います。

なかなか企業文化って変化できません。

面接や説明会だけでは把握できないこともたくさんあります。

可能であれば飲食店で働くと思うならば、朝にお客として利用して、夜にも覗いてみて店長、社員らしき人を確認できたら長時間の可能性もありますし、これを3日間ほど繰り返せば実情というか雰囲気がなんとなくでも掴めると思います。

面接時や会社説明会などでは上手い言い方をするのは当然でそこで全部把握しようとしてはいけません。

貴重な人生の時間を費やす仕事なのですから、出来るだけのことはしておくべきでした。

参考になるか分かりませんが、自身でインターネットで転職情報を調べてみる、会社の様子を見る、実店舗へ行くなどという行動を取ることを本気でオススメします。

赴任した店は問題店だった!?

japan town

赴任した店は大型店で、売上も高い店でした。

当時の僕の感覚としては

売上が高い=いい店

である可能性が高い、と考えていましたが、現実はそうではなく考えが崩れ去りました。

店の外観は落書きされてもそのまま、店舗の壁紙は剥がれたままで修繕せず。

ギリギリの人数で営業していると言え客席の床にはゴミが落ちているし、テーブルに関しては汚れたままで次に座るお客さん自身が拭く始末。

それだけでも店として終焉を迎えるとは思いますが、従業員もレジしながら他の従業員とおしゃべりしながら。

しかもこのおしゃべりがエンドレスです。

メンバーが変わろうが時間帯が変わろうが、全員が全員、喋り続けているという、まあいわばクズの集まりです。

「完全に立地任せで、店として成立していない。」

逆に言えば立地さえよければ何とかなる時代の最終段階だったのかもしれません。(当然数年後にその赴任した店は閉店に追い込まれました)

通常なら店長が是正していくものですよね。

またこの店長がアルバイト従業員と喋る喋る。

実は配属になった時に先輩社員に

「鬼の〇〇店長の下で働くんだ、がんばれ」

と言われてました。

そりゃそれなりに覚悟と学べる期待をしていったわけですが、拍子抜けするくらい緩いわけです。

優しいと言えばそれまでですが、いかんせん店の現状は誰が見てもよろしくない。

会社に対して若干の不信感はありましたが、それでもモチベーションが高い新入社員時代です。改善をすべく動きたいわけです。

アルバイトの意識を変えるには時間が掛かることなので、まずは外観の落書きを消したり、壁紙を突貫仕事ながら修繕しました。

ここまでは僕1人でできることです。

問題を考える

問題はここからです。

当然アルバイトは、今までの仕事でいいと思っている。

今以上を求めるということは負担しか感じない程に低レベル化している状況です。

しかし、信頼関係もないまま、あれやれこれやれという指示をしたところで、僕の声は雑音でしかないわけです。

ならばどうするか。ここでネックになるのが、直属の上司、通称「鬼の〇〇店長」でした。

いきなり改善しますといった所で新入社員が何を言っているんだということに終始されるのは覚悟していましたが、熱い想いで相談してみると、「うん、そうだね」と賛同はしてくれます。

何を相談してもこの「うん、そうだね」で終わってしまうんですよね。鬼の〇〇店長と違う人なのかしらと疑問になるほどに。

まだこの時期は赴任して3週間くらいでした。

まあ、今考えると若造が何を言っているんだということですが、一応正論は言っているので否定せずにいてくれたのかもしれません。それが仕事かと聞かれたら怠慢だと思いますが。

実はこの時に鬼の〇〇店長は僕が赴任する以前から退職を申し出ていたらしく、何を相談しても空返事なのも後になってから理解できました。

2年前位からやたらおとなしくなったのもモチベーションがなくなったらしく、クズ店舗になってても特に何かするつもりはなかったみたいです。

しかし僕はその事実は全く知らされておらず、知っていれば自分自身だけで動けたら違うことを少しでも出来たのかもしれないです。

モチベーションがないからと店舗を好き放題にさせていくと店として成立していなかったのも当然です。

結局、この店では何もできなかったと悔しい思いをしました。

ただただ朝6時から夜10時まで働いたというだけで。まだこの店は社員2名体制だったので休みも取れたことも追記しておきます。

もちろん、上に書いたように取れないのは基本でしたが、それでも週1日は結果休めたと思います。

その後、すぐに異動になります。赴任して1か月半くらいで、あっさり異動が言い渡されるわけです。

しかもまた例のごとく3日後には赴任しろという日程で。近隣店舗ならば、引っ越しも要らずですが、今度は広島へ。

まさに青天の霹靂で、まさか新入社員で1か月半で次の店舗に異動することになるなんてあるんですかね。

じっくり初店で取り組むべきとは言いませんが、まずこの1か月半があまりにも無駄に感じました、スキル向上することもなく。

これは僕の想像でしかないのですが、配属未定でとりあえず決まるまでは三宮にしておく?みたいに感じてしましました。

兎にも角にも、また引っ越しする羽目になってしまった次第です。

会議でも顔を覗かせる企業文化

退職とめる方法

1か月に1回社員会議が地域内であるのですが、これを新入社員ながら顔見せという意味もあり参加しました。(結果的に1回だけですが)

内容はよく覚えていませんが、現状の売上報告だったと思います。

そこでまた独自の企業文化を垣間見ることになります。

やたらと媚びるというか、なんせ「SVのおかげです」という発言をする人が多く、そのSVもまんざらでもない様子です。

何の新興宗教なんですか。そりゃ、企業で有る限り宗教的要素はあることは理解しますが、

わざわざ会議の場で言う必要はないことです。

上司のお陰でなど言う必要なく、上司は仕事したまでで、実際は部下を褒めてあげるべきことでしょう。

しかし、まあそうじゃないんですね、ブラック企業で生き残るとは自己欺瞞も必要なのです。

吐き気しますけどね。

しかし、それが蔓延化しているいうことは、そういう発言をしないと生き残れないのかもしれません。

一応、実力主義を謳い後輩が上司になっているということもありましたし、少しでも出世するには必要な要素だったかもしれません。

当然僕は、何もわからないので周りの先輩社員に挨拶するに終始して終わったのですが、そんな大人たちを見て実力主義というのは、数字だけではないということを学びました。

それでも数字が全てだとも思いますけど、主観的と客観的の両輪が揃うことが一番バランスが取れた出世術かもしれません。

これは企業の体質で、各企業によって数字重視な会社もあれば、そうでない会社もあるということだと思います。

一概に良い悪いを決めることはできませんが、唯一言えるのは嫌われてしまうと後から媚びようが、数字を上げようが評価は歪められてしまいます。

嫌われたら圧倒的な数字を出すしかないのですが、飲食店のように決められたビジネスモデルではなかなか難しいのが、正直な所なのです。

その企業文化に柔軟に自分を合わせていうのも自身を護る術だということも知っておいては損はありません。

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