倒産に繋がる!飲食店経営企業の採用ミスマッチが起こる原因。

ミスマッチ退職

人手不足による倒産が増加しています。これからもこの流れは止まらないんでしょう。

飲食店や小売に限ったことではなく中小零細の製造業も人員不足のため廃業する企業も多くなってきています。

ただでさえ採用が難しい時代に突入しているのに、人材をせっかく採用してもスグ辞めてしまうとダメージは大きく日々の業務さえ滞ってしまうリスクさえ持っています。

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退職するには構造がある

なぜスグ辞めてしまうのでしょうか。

そもそも辞めてしまう原因は

  • 採用のミスマッチ
  • 人手不足の慢性化による負担
  • 教育の失敗、人材の質の低下

大きく分けると3つになります。今回はこの退職に至る構造を見ていきます。

仕事を辞める理由ランキングを確認

退職するには個々に理由があります。まずは大枠で仕事を辞める理由を確認していきます。

1位:上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった(23%)

2位:労働時間・環境が不満だった(14%)

3位:同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった(13%)

4位:給与が低かった(12%)

5位:仕事内容が面白くなかった(9%)

6位:社長がワンマンだった(7%)

7位:社風が合わなかった(6%)

7位:会社の経営方針・経営状況が変化した(6%)

7位:キャリアアップしたかった(6%)

10位:昇進・評価が不満だった(4%)

※リクナビNEXTから出典

人間関係が予想通り(?)多く占めてます。人間関係が理由に上がるのは、ルールや環境を作り上げるのは人です。

ざっくり言えば、自分の考え方と会社側の考え側と離れているためミスマッチが発生しているのがこのアンケートの真意じゃないでしょうか。

小売店や飲食店が採用ミスマッチする理由

ミスマッチ

まず専門的な知識が入社する際には、必要ないことがあります。

例えば理系であれば、大学や専門学校の専攻で学んだ延長で技術職を選ぶのが普通です。

これが、基準のボーダーとなってるのですが、店舗勤務の企業はこれがありません。

もちろんボーダーがない営業職も採用ミスマッチが同様に起きています。

ただ営業職では会社には直属上司もいますし、周辺にも相談や教えてもらえる環境が揃っていることが多く、退職に至るまでにいかないというのが現実ではないでしょうか。

しかし、店舗勤務の場合、入社して浅い期間でも立場上はアルバイトと店長の間で、いきなり中間管理職みたいになるのです。

つまり責任は発生するがその知識もノウハウもない状態なのに、スタート時点が既に中間管理職なんです。

そりゃ戸惑いますし、最初でつまづくのは当然。一番いけないのはつまづいたままの延長で放っておくことでしょう。

ミスマッチが起きる部分は、ここなんです。

いきなり何もしらないまま中間管理職になりたくて入社しているわけではありません。

基本的には、基礎をしっかり勉強しながら売上やマーケティング、接客レベル、マネジメントの経験、能力を上げていけるものと考えて入社するのが普通です。

いきなり即戦力(悪く言えば駒)として扱って、責任追及される立場になってそれに応える術もなく、しかしそういうものなんだと納得しながらもこの歪みは、応えられない自分がやりたいことと違うと感じてしまう思考になってしまいます。

結局、基礎的には能力があっても解決する方法を知らない。そして、自分の現在の能力ではこの仕事に向いていないという判断をするようになるのです。

退職する背景まで考慮する

退職とめる方法

仕事が過酷だから辞める、考えていた仕事内容と違うというのは大きな原因です。

しかし、それだけで仕事を辞めるというのは企業側の勝手な妄想でしかない。

その背景まで考えていかなくてはいけません。

営業職や事務職と違うのは店舗勤務となると不定休なので、友達と遊んだりする機会を失い私生活においても一人で過ごすことが多くなります。

これにより刺激を受けたりや相談などする環境が減少してしまい悩みを一人で抱え込んだりしてしまいます。

会社や店にも相談する人はいるかもしれませんが、どうしても上下関係が働いてしまいます。

例えば、上司に相談すると捉え方によっては上司の仕事への不平不満になりますし、下もアルバイトさんであれば、社員が弱みを見せることは今後のマネジメントにも影響してしまいます。

そのため不満を言うことにためらいが生まれます。

もちろん仕事が順調もしくは好きな仕事ならば大きな問題にはならないでしょうが、小さな不満が積もり積もっていくことでネガティブな姿勢になります。

人手不足の慢性化による負担

人手不足が一時的なことであれば、多少負担が掛かっても耐えれますよね。再度、人が揃えば負担は軽減されていきますから。

しかしながら、人は集まらないし、現場は長時間労働が続くゴールが見えないことで肉体的精神的にも負担が重くなります。

それはなぜ起きているのかを理解しないと冷静な行動がとれません。

単純に仕事は嫌だからという理由でミスマッチが起きているわけではありません。

経営層の不理解

経営者の不理解

どうしても人手不足になりがちなのは、業種を問わずこれからの社会では問題になり続けていきます。

しかし会社の経営層はまだまだ、そこまで深刻に考えていない、もしくは自身が引退するまでに逃げ切れたらそれでいいという姿勢があるのではないでしょうか。

現場ではかなり深刻な状況が続いていても、大半の経営陣は現場なんかに興味はありません。

よく数字でしか判断しないと言いますが、本当に数字さえ見ているか疑わしい人も散見します。

現場を理解していれば数字で異常値が分かるんですけどねえ、どうですかねえ。(これ以上いうと、あなたのモチベーションが下がるかもしれないので辞めますが笑)

むしろ精神論で、「頑張りが足らない」「最近の若い者は」「結果出してから言え」と意味の分からない助言で終了します。

経営層の方へ。部下も、どうにかしようとしても、できないから最終手段として上に相談しにきているのです。

自身の能力が足らないと思わるリスクがありながらも勇気を出して意見しているんです。疑うなら現場に足を運びましょう。運ばないなら任せましょう。

オーバーストア

オーバーストア

人手不足になる原因は生産人口の減少と決めつけていますが、それは一つの要因でしかないのです。

詳しいデータから見ると小売床面積が拡大し続けています。

売り場面積

※環境省から出典

小売床面積とは、言い方を変えると販売用の土地の広さを示します。

上の資料を見て頂くと、面積量が広ければ店舗数が多くなっていること、一店舗あたりの広さが拡大していることを示します。

単純に、「働ける人口は減少しているのに、店舗の数や面積は増加し続けている」という状態です。

あきらかに、供給と需要の問題ですよね。

店舗数や面積が多くなれば、それだけ人員の確保が必要になります。

一店舗あたりの広さを持てるのは、大企業が使える手となります。

採用コストを考えると大手と競合していかなくてはならず、中小企業には厳しい時代が今後続きます。

生産人口が減少しているのに小売床面積は増床し続けている。

人員獲得競争がこれまで以上に激しくなるという構造が人手不足の本質です。

企業側の教育不足と焦りがミスマッチを生む

会社教育

現在、企業側も採用において苦労しているために、かなり採用基準を下げています。

正直、飲食業では今の新卒であれば名前さえ書ければ内定出すぐらいでしょう。

大袈裟と思われますか?

しかし実際大手チェーン飲食店では年間100名も内定辞退が発生している企業も珍しくありません。

企業もまとまった数の採用を確保できないと死活問題に陥ります。大手居酒屋チェーンの人手不足による閉店はこの結果ですね。

当然人材の取り合いですから自然と採用ボーダーは下がり続けます。

この来るもの拒まずが、まず最初の元凶です。

飲食店の運営は誰でも出来るわけではありません。当然ながら適正があります。

店舗運営には適正が必要

多岐に渡る仕事

お客様や従業員と円滑なコミュニケーションは必要ですし、経費コントロールや収益計画、人材の採用、育成、オペレーションの改善など広い視野が求められます。

自分の仕事だけに集中してたらいいという営業職やエンジニアのような専門職とは求める能力や適性が違います。

月商500万円を超える店舗であれば零細企業の経営者相当の能力が必要です。

(年間6000万円の売上です。)

もちろん誰も最初から持っている能力ではありませんから、数年(目安は2年)かけて蓄積していきます。

その教育システムが企業側にないというのが怠慢です。

もちろん最初は店長という上司はいます。

しかし店長も付きっ切りで教える余裕なんかありませんからどうしても独学と感覚で店舗運営を学ぶことになってしまいます。

会社側も基礎だけ教えて、あとは無責任に配属しがちです。その割に業績(売上、利益)に関して、ドンドン注文を付けたりします。

これは飲食に限らず、アパレルにもありがちな話です。

数年働いても原価の計算や、PL、損益分岐点も計算できない社員が蔓延してます。

ほめるのが苦手だからとコミュニケーションもロクにとれない社員も山ほど居ます。

ただただ、会社独自のやり方、常識を身に着けていけば何となくやっていける時代ではありません。

独学で勉強できるほど、現場は余裕がないのです。実は、能力はあるのに、結果を出せないと社員は自信を失い退職していきます。

人材に投資をしない会社はミスマッチでこれまで以上に苦しむ道を自ら選んでいるということです。

もし、あなたが、この記事に共感してもらえるようならば、すぐにとは言いませんが、期限を切って辞めることを計画しましょう。

改善する機会を待っていても時間の損失です。いくら愛社精神があっても、会社はあなたのことを駒として使い続けるだけかもしれませんよ。

転職サイトにまずは登録するだけでも、自分の次のステップが少しは見えてくるかもしれません。時間があれば、詳細に自分のスキルや、やりたいことの棚卸を登録情報に入力するだけでも冷静になれます。

ミスマッチが企業の業績不振・危機的状況を生むフローってこういうこと

FLOW

→権限委譲は行わない(何をするにも上司や本社にお伺い立て必要)

→業績悪ければ評価しない

→長時間労働で業績カバーするものの根本的な問題解決方法がわからない

→限界がきて退職

→若手を使い捨て

→ブラック企業評価

→採用できない

→誰でもいいから採用する(⇒今ここ)

→能力がない人が会社の大半を占めはじめる

→あらゆる店で問題が起き閉店が続発

→経営悪化

→倒産

結構末期なんですよね。

この悪循環を根本的に改善しないままズルズルといってしまうと経営悪化は他人事ではないかもしれません。

人材の質が下がってしまっては組織として、下に合わさざるを得ないようになっていきます。

上から引っ張りあげるという希望的観測を持つ方々も居ますが、現実には下に引きずられて、気が付いた時には手遅れということは山の様に今までの事例でもあります。

まとめ

企業と雇用者のミスマッチは今に始まったことではありません。

しかし、人口増加時代であれば企業側も次々と採用していけば問題なく過ごすことができた時代でした。

現代においては、生産人口が減少していくなかで貴重な人材を使い捨てているような企業は淘汰されていきます。

経営者が本気で人材を育成していくこと、また市場環境の変化に対して企業自体が変化していくことが求められています。いつまでも変わらない会社では、最悪倒産にまで陥る可能性があります。

もしあなたが、会社に対して古い考え方、精神論を振り回しているだけであれば転職も視野に入れた方がいいと思います。

動かない理由は必要ありません。まずは転職サイトに登録だけでもしてはどうでしょうか。

泥船に全員で沈む必要はありません。

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