アパレル業界不況がずっと続いています。
原因は1つではなく、複数の原因が絡んでいるのはあなたも理解しておられると思います。
そんな中でも、アパレル業界でも高齢化が進んでいますが、まだ世代交代は進んでいないようです。オジさんがバリバリ最前線でアパレル企業の中心に居ます。
若い人に流行を提供するはずが、逆に流行を追いかけているのは、このオジさんが問題ではないかと考える次第です。
僕自身、アパレル関係の知人も多いのでその話と感じていることをまとめてみました。
目次
アパレル業界不況でもセンスないオジサン大活躍
残念?ながらビジネスの中心は、オジさんたちであることは否めません。
経験があるからとか、勤務年数が長いから業界のことは分かっているし、顔もそれなりに広いでしょう。
何よりもそれなりのポジションに居続け出るのでどの業界でもビジネスの中心です。
アパレルも例外ではなく、オジさんがファッションビジネスのバリバリの最前線です。
これがアパレルはもちろん、不況業界や売上減の業界に共通してよくあることです。
オジさんであること自体は否定しません。
しかし、多くのオジさんたちは同じようなオジさんとつるんで若い層には講釈垂れてお説教はしても積極的に関わることなく、10年も20年も前の感覚で生きているのです。
「俺の若い頃は〜」
「近頃の若者は〜」
「誰に向かって言ってるんだー!」
こんなこと言っているオジさんが居るところは注意です。
基本的な精神構造として、自分が正しいというベースで物事を考えている証拠です。過去の成功体験から抜け出せない、記憶を美化する男性脳の悪いクセです。
肝心なのは、センスと学ぶ精神があるかないかです。(これは年齢関係ありませんが、オジさんたちは顕著に不足しています)
アパレル業界でも高齢化
もちろん日本自体が高齢化しているので、どの業界も高齢化の波は避けられません。
当然、アパレル業界もその影響はモロに受けているのは想像に難しくありません。
自社商品が、仮に20代や30代の婦人服中心である場合、明らかにライフスタイルや考え方、買い物に対する価値観は変化してきています。
ただ、商品だけで勝負する!なんて誰も振り向いてくれる時代ではありません。
ターゲットになる彼女たちが、どんな生活を送り、スマホでどんな会話やSNSで発信しているか。
インスタグラムに上がっている服はどんなものが多いか。
お金は毎月何に使っているのか。
またライバル販売チャネルであるメルカリ等のアプリ、zozotownを消費者が、どのように使っているかを知っているオジさんがいるんでしょうか。
オジさんたちは社内や現場の若い世代とコミュニケーションや教えを乞うことをしません。というかできません。
無駄に高いプライドを振りかざして、本社の上ばかり見て商品を作り続けています。
高齢化するということは、考え方の変化についていけず、世間から見たら硬直化している可能性があるということの裏付けです。
(そもそも新陳代謝、権限委譲ができていないから平均年齢が上がる一方です)
ファッションを生み出すオジさんたち
確認します。
アパレル業界の中心は、ファッションです。流行最前線!
流行に敏感な消費者に価値を感じてもらわないといけない世界です。
性別はもちろん年齢差、ライフスタイル等による嗜好が異なる複雑なセグメントを持ちます。
それこそ、微妙な差やPRする部分、売り方、共感してもらうストーリーまで多層化して、商品として成立させていくかがアパレルビジネスの基礎です。
しかし、それをいつまでも昭和のセンスを引きずっている方々が、いつまでもアパレル業界の中心なんですよね。
もちろん、時代が巡って今は90年代のファッションが流行っていたりしますし、昔の感覚も不要と一概には言えません。
デザインや機能、販売方法をアップデートしていかなくては時代の変化にはついていけません。
ただトレースしているだけなら誰でもできる仕事です。
こまめなアップデート(商品、商習慣構造)を繰り返していくことは、学習と変化をする必要があります。
これがセンスのないオジさんはそれを積極的に取れないというか、意味不明な方向に進むことが往々としてあります。
もちろん、センスのないオジさんによるオジさんのためのオジさんの服ならそれでいいんです。
しかし、そうでない場合がほとんどでしょう。
イケイケオジさんにセンスを持てというつもりは更々ありません。それは事業的に見てもコストが掛かりすぎる可能性があります。(高い人件費、モチベーション低下)
それならば、若手の育成、機会の提供をする投資が一番効果あるわけですが、それは自身の存在意義を問われると勘違いしがちなところが困った所ですね。
育成を仕事にすることは、一番企業や業界にとってプラスに働きます。
ただし、これは長期的な視線が必要です。
短期的評価はどうしても結果がでるまでのタイムラグがあるためにオジさんたちには踏み込めず、結局成功体験がある自身が中心になってしまう精神構造です。
デザイナーではないのに勘違い
ありがちな話ではありますが、カリスマデザイナーを抱える企業は、どうも社内に向けて仕事をしているきらいがあります。
その結果、無駄なプライドが高い。
顧客に対しても、それは節々にでます。
自信があるのは、大切なことですが、顧客に対しての態度もプライドを見せるのはおかしいです。
すごいのは、カリスマデザイナーであり、企業や店の人間がすごいのではありません。
しかし、そのカリスマデザイナーの企業で働く、「俺カッコいい」みたいな人が増殖している企業は間違いなく衰退します。
オジさんだけではなく、その勘違いは組織全体に浸透してしまい、デザイナー(社内では先生と呼ぶ)と社内ばかりに目が向いています。
顧客には売ってやっているくらいの気持ちです。
販売員にもその傾向は出ます。立派なイケイケオジさんの誕生です。
これは例えば、20歳の女の子の販売員でも、イケイケオジさん化していることを僕は意味しています。
年齢や性別は、実は関係ありません。
オジさんの思考や態度、お客様や仕事仲間への向き合い方がセンスなければ、
若かろうと女性だろうとセンスのないイケイケオジさんです。(見た目の問題ではなく)
現場はもちろん、社内であろうと内向き、プライドを振り回す傾向がある企業の本質的な原因はヒエラルキーの上位にいる経営層や管理職のオジさんです。
影響は下に流れていきます。
組織文化自体が、アパレル企業自身を苦しめることになるんじゃないでしょうか。
カリスマデザイナーはデザインのプロであり、経営のプロではありません。
得意の言い訳は人口減と高齢化
売上が伸び悩んだり、減少していくなかで決して自社や自分の責任とはイケイケオジさんは考えないです。
我が社が売上減なのは人口が減っているから、高齢化が進んで若い人が服を買わないから。
ならば、買ってくれる事業にしろよ。
自らリスクを取って行動しません。当然外部環境が悪いという責任転嫁をします。
売れてる所は、「あそこは〇〇だから。」
という妬みにすらならない言い訳を繰り返します。
売上低下の原因はこれまでの自分のにあるという自覚のもとに行動に移すか、環境や時代が問題だ!と責任を自分以外に求めた行動をするかで企業は成長するか衰退するかが決まります。
この差が3年、5年と積み重ねれば圧倒的な差が出てくるのはあなたも想像に難しくないですよね。
外部環境に原因を求めているオジさんに期待しないようにしましょう。
そもそも、そんなオジさんが活躍できる会社の未来は明るくありません。
アパレル不況だと騒ぐ前に自社の変化に取り組む人材確保がアパレルの課題でしょう。
百貨店もオジさんのセレクト
これは友人が数名百貨店で働いている(平場、インショップともに)ので話を聞く機会もあり、感じてることをまとめると、売場の展開や商品のセレクト、ブランドのセレクトなど、なんとなくやってる。
下手したら自分の好きか嫌いかという基準で売場展開をしようとしてます。
もちろんファッションなので数字だけではなく感覚的、フィーリングがモノを言う場合もあるでしょう。
しかし、現場の意見が反映されることはほとんどありません。むしろ聞く機会さえないでしょう。
売り場の導線が支離滅裂でも、若い人をターゲットにすると仮定しても平気でおばさん受けしかしないような商品を目立つようにしたりします。
(オジさん自体はまじめに考えてますよ。本人的にはね。)
もちろん結果はご想像の通りです。
しかし、ここでまたイケイケオジさんは自分の主張を曲げることはしません。
特に百貨店の社員は基本的に、テナントやメーカーの現場販売員を下に見ている。そもそも販売員は、オジさんの部下ではないんですよ?メーカーの方です。
それなのに自分の力であると大いなる勘違いをして権限を振りかざし、横柄な態度を取っても問題ないと思っている方もいるようです。
百貨店という立地ビジネスで、売らせてやっているという、なんとも殿様気分なオジさんが売り場責任者とかになっているのが危険ですね。
そりゃ、消化仕入れですから百貨店側はリスクなんかありませんからね。売れるような売り場展開なんか自分の好みや考えだけで遂行しても大した問題ではありません。
売れなければテナント、メーカー側に問題があるという意識で、朝礼で叱責したら終わりです。
面白いのは売れるメーカーに対しては、低姿勢です。多少の無茶も聞く謙虚オジさんになります。
そりゃ、撤退すると言われてしまったら左遷が待ち受けてますからね。
長いものには巻かれて、弱いものには、より厳しくです。
売上不振のメーカーには支援するなどをするのが、本来の仕事なんですが、無駄な責任や仕事はしたがらないみたいです…。
若手の台頭はもちろん阻止!
センスのないイケイケオジさんたちは、若い芽を潰すのも仕事と考えてるフシがみられます。
具体的には新規創業でセレクトショップを開店する若者には高い下代(一般仕入価格、末端原価)を要求します。
もちろん販売委託なんて言おうものなら取引の話なんか電光石火の如く即断で蹴ります。
「おたくは、信用がないから取引しない!」平気で言います。
それをお客に平然と言います。売るにしても前金と通常より高い下代(価格)を条件にします。
もう一度言います。相手は自社のものを買って販売してくれるお客様です。
江戸時代の殿様でも言いません。
これを悪しき商習慣が根源です。大部分のアパレル企業がこの手の商習慣を持っています。
オジさんたちは悪気があるのではありません。悪しき商習慣とも思っていません。
ただ、業界の常識は世界の非常識ということを理解できないままオジさんになってしまったのです。
本来、マーケティング的な視線を追加すれば細分化された小さなセグメントでシェアをあげないと競合には勝てません。
そこはリスクを取って自社製品のチャネルを広げるべきですが、もちろんイケイケオジさんはしません。
だって小さな相手なんかボリュームないから高く売って利ざや大きくした方がいい。
身内にも若い挑戦者にも、「厳しい愛のムチ」という名の保身活動に必死です。
現場のやり手の販売員が育ってきたらスグ異動させてゼロスタートにします。
だって上に上げたくないんだもの。
もちろん、自分の地位は圧倒的に上位じゃないと、いつアパレル不況で早期退職迫られるか分からない業界ですからね…。
マーケット全体を育てることより、自分の立場の保身がイケイケオジさんの力を育てます。
これまでは人口ボーナスもあり、不景気と言いながらも数年前までは人口が増加していて需要はありました。
それが成功の要因であるにも関わらず、自分の力で築き上げてきたという勘違い誇りがあります。
もちろん、努力もしてきたでしょうし、困難も乗り越えてきたんでしょう。
売上が悪ければ現場を叱責し、店長の責任を問えばイケイケオジさんの仕事は完了です・・・。
アパレルを取材するメディアの意見もズレてる
ファッションの嗜好の多岐化がアパレルが苦しんでいるという風潮があります。
ライターやジャーナリストさん。街中歩いてるんでしょうか?右見ても左見てもマーケットインに偏重した商品ばかりで同じ服、同じ靴ですよ。
あるデザインが、流行ればパクリ合戦です。
スニーカーのスタンスミスが流行れば各社が同じ様な靴を出すし、チェスターコートが流行ればチェスターコートばかり店頭に並べる。
ワイドパンツが流行ればワイドパンツばかりと、本来流行を作りだすアパレル企業が流行を追いかけているという本末転倒な現象が問題ではないでしょうか。
しかし、いくら似たものを提供しても所詮、パクリはパクリ。
ただの劣化コピーでしかありません。そうなると必然的に価格競争を自ら引き起こす結果は言うまでもないでしょう。
消費者も品質やデザイン性のよほど高いものを出さないと「やっぱり本家には勝てないわねえ」と品定めして終わりです。
そのブランドのイメージは劣化コピーを乱発すると位置づけてしまいます。
ブランドイメージを払拭しなおすのは至難の業です。
アパレル不況の原因は、若手の台頭や育成をしていないこと、他社商品を焼き直ししているだけの事業をライターやジャーナリストは追及する記事を書くべきだと思いますがねえ。
全体のコスト構造ガー、少子化ガーというのも分かりますが、それなら日本全体が不況にならないとおかしい理論になりますけどね。
実際伸びている業界なんて幾らでもあるんですから。
お笑いにもならない意見(もはや記事と呼べないレベル)は、若い人が恋愛をしなくなり、オシャレに興味がなくなったために服を買わなくなったという記事までありました…。
アパレル不況に「絶食系」の影 大手でリストラ相次ぐ (参考リンク日本経済新聞)
(https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ13HMX_T10C17A1000000/)
どんな根拠だよ。
外国人技能実習生が人権侵害される繊維業界
外国人技能実習生とは、主に発展途上国から日本の技術を働きながら、学び自国に帰国してその技術を移して発展途上国の発展に繋げるという日本の国際貢献事業です。
ただし、現在の日本においては、外国人技能実習生は実態として安価な労働力として活用されています。
人材不足の中、日本人が就きたがらない仕事に外国人技能実習生が雇用されている状態です。
この外国人技能実習生には色々と問題があるのですが、
(詳細を知りたい方は「外国人技能実習生 実態」など検索してみてください)
繊維、特に縫製工場の外国人技能実習生は人権侵害は酷いです。時給換算で400円で働かせるなんてよくあります。(もちろん違法です!)
外国人技能実習生アパレルの実態。企業名晒してますので閲覧注意
斡旋するのは事業協同組合という組合が実施することが多いのですが、斡旋すればするほど組合は儲けることができます。
しかし、縫製ととび職だけは断る所が多いです。
実際、斡旋する組合の方にも言われました。
「とび職は落下事故が絶えないからと縫製工場は人権侵害が酷い」と。
縫製工場の経営者のモラルにももちろん問題はありますが、そこまで労働力を買い叩かないと事業として成立しない状態です。
ひたすら低価格で勝負するならば、コストをどこかで無理に絞らないといけない。
付加価値を付けにくい縫製工場に対して、その歪みを押し付ける結果になってます。
しかし、イケイケオジさんたちは問題視していないのです。言い訳はお得意の外部環境に責任転嫁です。
「メーカーに依頼していたから当社では管理していない」
「全てお任せしていたのでまさかこんなことになっているとは知らなかった」
吐き気しかしません。
自社製品のコストの適正が幾らかかるかぐらい分かっていると思うんですけどねえ。
まとめ
アパレル業界が不況といっても供給過剰であるのはもちろんですが、これまでの商習慣を踏襲し続けるオジさんがマーケットの拡大をしてこなかったことがまず一番の問題です。
短期的な利益を追いかけすぎた反動が現状を生み出し、自身の出世や保身に必死です。
イケイケオジさんは、自身を第一に考え、業界のことなどはそこまで考えていません。
過去の成功体験に基づき時代の変化などに気付かない振りして、これまで通り売上が伸びもしない商品を提供し続けていきます。
決して努力していないというわけではないです。努力の仕方が間違っているだけです。
これは実は、アパレル業界に限らず、どの業界にもイケイケオジさんはたくさん居ます。
このようなオジさんが中心の会社は確実に衰退するのでリスクを背負ってもあなた自身で変えていくか、早めの見切りをする勇気を持つことも大切だと思いませんか。
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